水素燃料電池車(FCV)と電気自動車(EV)の環境負荷や再生可能エネルギー(再エネ)の利用については、混乱している方も少なくありません。トヨタ自動車は水素燃料の利点を強調する一方、EVの電力供給について火力や原発の増設が必要と説明することがあります。その背景には技術的・制度的な理由があります。
水素燃料車の再エネ利用の仕組み
水素燃料車は、水素を燃料として走行する車です。水素は電気分解で生成されますが、もし再生可能エネルギー(太陽光や風力)を用いた電力で生成すれば、走行中にCO2を排出しない「クリーンな」燃料となります。
この点をトヨタは“究極のエコ”として強調しています。ただし、現在の水素生成インフラは全量が再エネ由来ではなく、一部は化石燃料由来である場合もあります。
EV電力と再エネの課題
電気自動車(EV)はバッテリーに蓄えた電力で走行します。理論上は再エネ由来の電力で走らせることも可能ですが、現実の電力供給は再エネだけでまかなうのが難しい状況です。
理由は以下の通りです:
- 再エネは天候に左右されるため安定供給が難しい
- EV急速充電の電力需要はピーク時に集中しやすく、安定供給には火力や原子力が必要になることがある
- 送電インフラや電力市場の構造上、EV用電力を100%再エネで保証するのは現状難しい
なぜトヨタはEVの再エネ100%を主張できないのか
豊田章男氏が言及したように、現実的にはEV普及に伴う電力需要増を支えるため、火力や原発の調整力が必要です。これは再エネの発電量が天候や季節で変動するためです。
一方、水素燃料車は水素を一度生成すれば蓄積可能であり、発電タイミングと走行タイミングを分離できるため、再エネの活用メリットを比較的説明しやすいという事情があります。
まとめ
水素燃料車とEVの再エネ活用には技術的・インフラ的な差があります。水素は生成段階で再エネを用いれば走行時はクリーンですが、EVは走行時に必要な電力をリアルタイムで供給する必要があり、現状は火力や原発での調整力が必要なケースが多いです。
したがって、EVの電力を100%再エネ由来と断言できないのは、発電と供給の仕組みや安定性の問題によるものです。理解する上では、再エネの利用可能性と電力インフラの現状を区別することが重要です。


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