JB23ジムニー1型と同年代エブリイは街乗りならどっち?5MT・2WD走行時の乗り心地と燃費を比較

中古車

1998年に登場したJB23型ジムニー1型と、同年代のスズキ・エブリイを街乗り中心で比較する場合、見た目以上に性格が異なります。どちらも軽自動車で5MTを選べますが、ジムニーは本格クロスカントリー4WD、エブリイは荷物の積載を重視した軽バンとして設計されているためです。

結論を先に整理すると、燃費は大差ないものの、1998年式の5MT同士ならカタログ値ではJB23ジムニー1型がわずかに有利です。一方、街中の乗り心地は単純にエブリイの圧勝とはいえず、空荷の軽バン特有の跳ねを考えると、乗用車として作られたJB23ジムニーのほうが快適と感じる人もいます。

ただし、約25年以上経過した中古車では、現在の乗り心地や実燃費は車種差より個体差の影響が非常に大きくなります。ショックアブソーバー、ブッシュ、タイヤ、ハブ、エンジンの状態などを含めて比較することが重要です。

まず比較条件を整理|JB23ジムニー1型は1998年10月登場

JB23型ジムニーは1998年10月の軽自動車規格改定に合わせて登場しました。スズキの公式デジタルライブラリーによると、初期型はK6A型658cc DOHCインタークーラーターボを全車に搭載し、車両重量はグレードによって約950~970kg、ホイールベースは2,250mmです。[参照] スズキ「ジムニー 3代目」

同じ1998年のエブリイなら、基本的にはDE51V型の世代が比較対象になります。スズキの公式資料では、この世代のエブリイはエンジンを前後車軸の間に搭載するリヤミッドシップレイアウトを採用し、後輪には5リンク式コイルスプリングサスペンションを採用していました。[参照] スズキ「エブリイ・キャリイバン 9代目」

なお「同年式」が1999年を意味する場合は、1999年1月に新規格のDA52V型エブリイへ世代交代しているため、比較結果が少し変わります。この記事ではJB23の登場年と重なる1998年式DE51V型エブリイを中心に比較します。

燃費はJB23ジムニー1型5MTが16.0km/L、エブリイ5MTが15.6km/L前後

JB23ジムニー1型の5MT車は、当時の10・15モード燃費で16.0km/Lとされています。XA、XL、XCの5MTはいずれも16.0km/Lで、駆動方式は副変速機付きパートタイム4WDです。[参照] GAZOO「スズキ ジムニー 1998年10月モデル」

これに対し、1998年のエブリイDE51V・2WD・5MT・PAリミテッドIIは10・15モード15.6km/Lです。[参照] Cars Japan「エブリイ燃費」

車種 主な仕様 当時の10・15モード燃費
JB23ジムニー1型 658ccターボ・5MT・2H走行可能なパートタイム4WD 16.0km/L
DE51Vエブリイ 657cc・2WD・5MT・PAリミテッドII 15.6km/L

数字だけならジムニーが0.4km/L良いものの、これはほぼ誤差と考えたほうがよい差です。信号の数、発進回数、エアコン使用、積載量、タイヤ、運転方法によって簡単に逆転します。

「ジムニーは4WDだから燃費が悪い」とは限らない

JB23ジムニー1型は4WD車ですが、常時4輪を駆動する方式ではありません。パートタイム4WDなので、舗装路では通常2Hにして後輪駆動で走行します。

初期JB23では、2WD走行時に前輪側を駆動系から切り離す仕組みも採用されています。そのため、「4WD機構を持っているから街乗りでは必ずエブリイより燃費が悪い」と単純にはいえません。

一方でジムニーはラダーフレーム、前後リジッドアクスル、4WDトランスファーなどを備えるため車両重量は約950kg以上あります。1998年型エブリイの2WD車は仕様によって800kg前後であり、車重そのものはエブリイのほうが軽量です。

街乗りの実燃費はどちらも「個体の状態」で大きく変わる

現在中古で購入することを考えるなら、25年以上前のカタログ燃費をそのまま期待するのは現実的ではありません。10・15モード燃費は現在のWLTCモードとも測定方法が異なり、実際の市街地燃費を保証する数字ではありません。

例えば同じJB23でも、純正サイズタイヤでエンジンや点火系が良好な個体と、空気圧不足、ブレーキ引きずり、劣化したO2センサーなどを抱えた個体では実燃費が大きく違います。

エブリイも同様で、圧縮状態、点火系、クラッチ、タイヤ、積載量などによって変わります。したがって中古車として比較するなら、カタログ上の15.6対16.0km/Lより整備状態を優先したほうがよいでしょう。

乗り心地はJB23ジムニーのほうが意外と悪くない

ジムニーは悪路走破性を重視した車なので、「街乗りなら軽バンのエブリイのほうが快適」と思われることがあります。しかし、JB23はそれ以前のジムニーより乗用車としての快適性を強く意識して開発されています。

スズキも3代目JB23について、新設計ラダーフレームによってボディ剛性とサスペンション性能を向上させ、乗用車としての快適性を追求したと説明しています。前後サスペンションは3リンク式リジッドアクスル+コイルスプリングです。[参照] スズキ公式デジタルライブラリー

舗装路の細かな段差ではリジッドアクスル特有の動きを感じますが、純正サスペンションが正常なJB23なら、街中で極端に乗り心地が悪い車というわけではありません。

エブリイはコイルスプリングでも空荷では軽バンらしい跳ねを感じることがある

DE51Vエブリイは後輪に5リンク式コイルスプリングを採用しており、当時スズキも乗り心地を高めた点を特徴としていました。その意味では、古い板ばね式商用車を想像するより快適です。

ただしエブリイはあくまで貨物車で、最大積載量を考慮したセッティングです。荷物をほとんど積んでいない状態では、路面の継ぎ目やマンホール、荒れた舗装などで後ろ側が軽く跳ねる感覚が出ることがあります。

一方で荷物をある程度積むと落ち着くこともあります。このため「一人で空荷の街乗り」が中心なら、乗用車として設計されたJB23のほうを快適と感じる可能性があります。

ただしジムニーには横揺れや上下動が出やすい特徴がある

JB23には別の弱点があります。最低地上高を確保した背の高い車体、前後リジッドアクスル、短めのホイールベースというクロスカントリー4WDらしい構成なので、舗装のうねりや左右で高さが違う段差では独特の揺れを感じやすい傾向があります。

そのため、柔らかくフラットに進む一般的な乗用車を基準にすると、ジムニーも決して「乗り心地が良い車」ではありません。特に後席では前席より揺れを感じやすくなります。

つまり街乗りの快適性は、エブリイは商用バン特有の空荷時の跳ね、ジムニーはクロカン4WD特有の揺れという異なる特徴を比較することになります。

街中での取り回しはエブリイが有利

JB23ジムニーの最小回転半径は約4.8mです。対して同年代のエブリイは小回り性能を重視した設計で、狭い道路や駐車場ではエブリイのほうが扱いやすく感じる場合があります。

またエブリイは着座位置が高く、ボディ形状も四角いため、車両の端を把握しやすいことも街中ではメリットです。スライドドアも狭い駐車場で使いやすいでしょう。

ジムニーも軽自動車なので車体そのものは小さいですが、大径タイヤや4WD機構などの関係で、見た目ほど小回りが利く車ではありません。

加速の余裕は64馬力ターボのJB23が上

初期JB23ジムニーは全車K6Aターボで最高出力64PSです。一方、1998年のDE51VエブリイPAリミテッドIIの自然吸気5MTはF6A型で42PSです。

ジムニーは車重が重いものの、ターボによるトルクの余裕があります。交通量の多い道路への合流や坂道では、自然吸気のエブリイよりJB23のほうが余裕を感じやすいでしょう。

ただしエブリイにも当時ターボ仕様があり、例えば2WD・5MTのジョインターボでは10・15モード燃費16.0km/Lという仕様も存在しました。そのため、エブリイのどのグレードを比較するかによって結論は変わります。

1999年式エブリイなら比較結果が少し変わる

JB23の1型は1998年から販売されていますが、エブリイは1999年1月に新しいDA52V型へモデルチェンジしました。そのため「同年式」が1999年ならDE51VではなくDA52Vを比較対象にしている可能性があります。

1999年初期のDA52V・660 GA・2WD・5MTは、車両重量約780kg、ホイールベース2,350mm、10・15モード燃費16.4km/Lという仕様があります。[参照] カーセンサー「エブリイ 660 GA」

この場合は燃費のカタログ値がJB23の16.0km/Lをわずかに上回るため、1998年DE51Vと比較するのか、1999年DA52Vと比較するのかで燃費上の優劣が逆転します。

比較表|街乗り中心ならどちらが向いている?

項目 JB23ジムニー1型 1998年DE51Vエブリイ
5MTカタログ燃費の一例 16.0km/L 15.6km/L
エンジン 658ccターボ・64PS 657cc自然吸気・42PSなど
街中の加速 余裕がある NAは穏やか
乗り心地 クロカン特有の揺れあり 空荷では後ろが跳ねることあり
小回り やや苦手 得意
荷室 小さい 非常に広い
悪路・雪道 非常に強い 街乗り・運搬向き
用途 乗用+悪路性能 実用・積載重視

純粋に街中の移動手段として使うならエブリイは実用性が高く、狭い道や荷物の積載では有利です。一方、運転席での乗り味や加速性能まで含めるとJB23にも明確なメリットがあります。

25年以上前の車は「車種」よりショックとブッシュの状態を見る

現在JB23の1型や同年代エブリイを購入する場合、乗り心地を判断するうえで最も重要なのは年式相応の劣化です。

ショックアブソーバーが抜けている、サスペンションブッシュが硬化している、エンジンマウントが傷んでいる、タイヤが古いといった車は、本来より大幅に乗り心地が悪くなります。JB23ではステアリング系や前輪周辺のガタも確認したいところです。

例えば程度の良いエブリイと足回りが消耗したジムニーを比べればエブリイが快適でしょうし、その逆も十分あります。25年以上経過した中古車では、試乗して実車で判断することが非常に重要です。

燃費重視ならタイヤも確認したい

「フルノーマル」とされていても、装着されているタイヤによって燃費や乗り心地は変化します。ジムニーでは純正サイズでもオールテレーン系やマッドテレーン系へ交換されている中古車があります。

ブロックの大きなタイヤは転がり抵抗や重量が増えやすく、舗装路での燃費・騒音・乗り心地に影響します。街乗り燃費を重視するなら純正相当のオンロード寄りタイヤが有利です。

エブリイについても商用タイヤは必要な耐荷重性能を持つ一方、銘柄や空気圧によって乗り心地が変わります。比較試乗するときはタイヤの種類、製造年、空気圧も確認しておきましょう。

街乗りだけならエブリイ、走りと用途の広さならJB23という考え方もできる

買い物、通勤、荷物運搬など舗装路だけで使うなら、エブリイは広い荷室と取り回しの良さが大きなメリットです。乗用性能より実用性を重視するなら合理的な選択です。

一方、林道、雪道、キャンプ、悪路なども走るならJB23のパートタイム4WDと最低地上高はエブリイでは代替しにくい性能です。64PSターボなので、舗装路での加速も自然吸気エブリイより余裕があります。

燃費だけを見ると両車の5MTには決定的な差がありません。そのため「燃費が1~2km/L違うだろう」と予想して車種を選ぶより、用途と程度で決めたほうが満足しやすいでしょう。

まとめ|1998年式5MTなら燃費はほぼ互角、乗り心地は個体差も大きい

JB23ジムニー1型と同年代エブリイをフルノーマル・5MT・舗装路の2WD走行で比較すると、燃費については意外なほど差がありません。

1998年式で比較すると、JB23ジムニー1型5MTの10・15モード燃費は16.0km/L、DE51Vエブリイ2WD・5MTの代表的仕様は15.6km/Lです。したがってカタログ値ではジムニーがわずかに上ですが、実用上はほぼ互角と考えてよい差です。

ただし1999年のDA52Vエブリイ2WD・5MTには16.4km/Lの仕様もあるため、具体的な型式・グレードによってはエブリイが上回ります。

乗り心地については、街乗りだから必ずエブリイのほうが良いとはいえません。エブリイは貨物車なので空荷では後輪の跳ねを感じることがあり、JB23は乗用車として快適性を高めたコイルリジッドサスペンションを採用しています。ただしJB23にもクロカン車らしい上下動・横揺れがあります。

現在この2車種を中古で比較するなら、年式が古いためカタログスペック以上に車両状態が重要です。実際に同じ道路で試乗し、段差を越えたときの収まり、ハンドルの振れ、エンジン音、クラッチ、タイヤ、ショックアブソーバーやブッシュの状態を確認するのがおすすめです。

※本記事はJB23ジムニーが登場した1998年を基準に、同年式のDE51Vエブリイを中心として比較しています。エブリイは1999年にDA52V型へモデルチェンジしており、グレードやターボの有無によって燃費・車重・走行性能が異なります。中古車の実燃費・乗り心地は整備状態やタイヤ、積載量、走行条件によって大きく変わります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました