三輪原付バイク「ホンダ・ジャイロX」は、個性的なスタイルと安定感で人気のモデルですが、リヤフェンダーのカスタムを考えるユーザーも増えています。とくに審美的な理由でリヤフェンダーを外す方もいますが、それに伴うリスクや注意点を理解せずにカスタムしてしまうと、安全性や車検対応に問題が生じる可能性もあります。今回は、リヤフェンダーやエンジンカバーの取り外しに関する注意点を詳しく解説します。
リヤフェンダーを外すことで起こる主な影響
リヤフェンダーは単なる見た目の部品ではなく、後輪から跳ね上がる泥・水・小石などを防ぐ重要なパーツです。これを外すと、以下のような問題が発生するリスクがあります。
- 後続車や歩行者への飛散被害
- 雨天走行時のエンジンや電装系への影響
- ナンバープレートや灯火類の汚れによる視認性低下
また、フェンダーがないことで公道走行時の安全基準を満たさないと判断されることもあります。
エンジンカバーの固定不良とそのリスク
ジャイロXではリヤフェンダーとエンジンカバーが共締めになっているケースが多く、フェンダーを外すとボルトの固定点が減る構造になっています。2点止めのまま走行すると、振動や熱で緩んだり破損する可能性があり、走行中に脱落する危険性も否定できません。
応急的な対策としては、リヤフェンダーの取り付け穴に対応するステーやスペーサーを使って三点止めを再現する方法が効果的です。
道路運送車両法上の問題点
リヤフェンダーを外してもすぐに違法になるわけではありませんが、道路運送車両の保安基準において「走行中の安全確保」「灯火類・ナンバープレートの視認性」などが求められます。以下のような状態は違法改造とみなされることがあります。
- マフラーやエンジンからの熱・汚れが周囲へ直接飛散する
- タイヤが完全に露出している(とくに後輪)
- ナンバーが泥はねで視認できない状態になる
最悪の場合、警察から「整備不良」や「不正改造」として指導されることもあるため、見た目だけで判断せず法令への適合も十分に考慮する必要があります。
フェンダーレス仕様にするための合法的な工夫
フェンダーレスカスタムを楽しみたい場合は、社外パーツの「ショートフェンダー」や「マッドガード」などを代用するのがおすすめです。これにより見た目のカスタム性を保ちつつ、最低限の機能性や法令順守ができます。
また、DIYで作成する場合でも耐熱性・耐水性のある素材を使用し、固定は三点以上でしっかり行うことがポイントです。
初心者が安全・合法にカスタムを楽しむために
免許取り立ての方にとって、カスタムはバイクを楽しむ一環ですが、走行性能や安全性、法令順守の観点を忘れてはいけません。特にジャイロXのように機構が特殊なモデルでは、構造に対する理解が必要不可欠です。
可能であれば、信頼できるバイクショップや整備士に相談しながら作業を進めることをおすすめします。
まとめ:フェンダーの撤去は慎重に、安全・法令遵守が最優先
ジャイロXのリヤフェンダーを外すカスタムは見た目のインパクトがある反面、安全性・保安基準・耐久性などにさまざまなリスクが伴います。構造上の役割や法的規制を理解し、安全かつ合法なカスタムを心がけることが、長く楽しく乗るための第一歩です。
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