なぜアクアよりも新しいシエンタに先に電動パーキングブレーキが搭載されたのか?

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トヨタの人気車種であるアクアとシエンタ。どちらもハイブリッド車であり、日常使いに適したコンパクトカーとして高い評価を受けています。にもかかわらず、2021年にフルモデルチェンジされたアクアには電動パーキングブレーキ(以下、電パ)が未搭載で、2022年に登場した新型シエンタには搭載されました。この仕様の差に疑問を持つユーザーは少なくありません。この記事では、その背景と理由を探ります。

アクアとシエンタの発売タイミングと背景

アクアは2021年7月にフルモデルチェンジされ、2代目となりました。一方、シエンタは2022年8月に3代目へと刷新されました。発売の時期から見れば、シエンタの方が後発ですが、それだけでは説明できない装備差があります。

このような違いには、開発時期、プラットフォームの設計、想定される用途など、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。

開発スケジュールとコスト制約

電動パーキングブレーキは便利な機能ですが、搭載にはコストがかかります。アクアの開発時点では、トヨタがコスト重視であるエントリークラスのハイブリッドとして、価格を抑える戦略をとっていたため、電パを見送った可能性があります。

実際、アクアは「手頃な価格で買えるハイブリッド」をコンセプトにしており、価格帯とターゲット層を考慮した装備構成になっています。

シエンタはファミリー向け装備を重視

シエンタは3列シートのミニバンで、家族や高齢者の利用も想定されているため、使い勝手の良い装備が求められます。電動パーキングブレーキは、停車時の利便性や安全性を向上させるため、ファミリーユーザーにとって魅力的な装備といえます。

また、電パとセットになるオートブレーキホールド機能は、信号待ちなどでブレーキを踏み続ける必要がなくなるため、都市部のユーザーにも好まれる機能です。

プラットフォームの最適化の違い

アクアもシエンタもTNGAプラットフォーム(GA-B)を採用していますが、同じプラットフォームでも設計のタイミングや最適化の内容に違いがあります。アクアは初期のGA-B設計に基づいており、電パの搭載準備が不十分だったと考えられます。

一方、シエンタはその後に開発されており、より新しい制御系統を前提とした設計が可能だったため、電パを無理なく組み込めたという面もあります。

ユーザーのニーズと装備のバランス

装備は常にユーザーのニーズとのバランスで決定されます。アクアは通勤や買い物など短距離利用を前提とした「コスパ重視」の車であるのに対し、シエンタは「快適性と利便性重視」の車種として位置づけられています。

このように、車種ごとのコンセプトと想定利用シーンの違いが、搭載装備の差に反映されているのです。

まとめ:装備の差は単なる発売順では決まらない

アクアより後に発売されたシエンタに先に電動パーキングブレーキが搭載されたのは、「後発だから進化している」という単純な話ではなく、各車種の開発戦略・コスト・用途・ユーザー層など多くの要因が複雑に絡み合っている結果です。

今後のアクアのマイナーチェンジやフルモデルチェンジでは、ユーザーの要望に応える形で電パ搭載が検討される可能性もあるため、期待して待ちたいところです。

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