中古車を購入する際、「走行距離11万キロ」「年式2016年」「車検込み」という条件で検討している方も多いはずです。こうした車両は価格が手頃な反面、見落としがちなポイントもあります。この記事では、そうした中古車の購入判断に役立つ情報を、実際のトラブル事例なども交えて解説します。
車検付き=安心ではない理由
まず大前提として、車検が通っている=故障しない車という意味ではありません。車検はあくまで“最低限の安全基準”を満たすための制度であり、エンジンや足回りの経年劣化までは網羅していません。
たとえばブレーキパッドやエアコンの不調、ミッションの違和感などは車検ではスルーされるケースもあるため、「車検付き=すぐ乗れる=安心」とは限らないのです。
走行距離11万キロは寿命間近か?
現代の車は技術が進化しており、メンテナンスさえしっかりしていれば11万キロでもまだ十分に乗れる場合があります。しかし、それは“前オーナーの整備状況”次第です。
実例として、11万キロの車を購入して半年以内にエンジンマウントが破損したというケースがあります。定期的なオイル交換、タイミングベルトの交換記録、整備記録簿の有無などは必ず確認しましょう。
年式2016年車の注意点
2016年式であれば製造から約9年。外装はキレイでも、エンジンや足回り、ゴム類(ブッシュ・ホース類)の劣化が進んでいる可能性があります。
特に気をつけたいのはバッテリー・エアコン・足回り(ショックアブソーバーなど)です。これらは劣化していても車検に通るため、納車後に修理費がかさむリスクがあります。
前オーナーの使い方はどうだった?
「営業車として使われていた」「通勤に使用されていた」「毎年1回しか使われていなかった」など、走行距離が同じでも車の状態は大きく異なります。
販売店に対して「どんな使われ方をしていた車か」「下取りなのかオークション仕入れか」などを確認するのが安心です。また、納車前に第三者機関の車両チェック(例:AIS評価書)が付いているかも信頼性の指標になります。
車検込み販売で見るべき契約内容
「車検込み」とは、納車までに販売店が車検を通してくれるという意味ですが、整備内容は店舗によって異なります。たとえば、「車検を通すだけ」の最低限整備と「24ヶ月点検付きの整備済車両」とでは、実際のメンテナンスの質に雲泥の差があります。
契約書や見積書に「整備保証あり」「整備記録簿付き」などの文言があるか、または「保証期間」や「保証範囲」についても必ず確認しましょう。
納車前チェックポイント一覧
- エンジン始動音・アイドリングの安定性
- オイル漏れ・冷却水漏れの有無
- タイヤの溝と製造年
- エアコンの冷暖房機能
- ブレーキの鳴きやペダルの違和感
- 異音の有無(加速時や段差通過時など)
- 保証内容と期間
これらを納車前に確認することで、購入後のトラブルを未然に防げます。
まとめ:納得の一台にするために
走行距離11万キロ・2016年式・車検付きという条件の中古車でも、メンテナンス記録や販売店の信頼性、整備内容をしっかり確認すれば安心して乗れる可能性は十分にあります。
大切なのは“価格”だけでなく“コンディション”と“販売後のフォロー”をしっかりチェックすること。中古車は一期一会。慎重に選べば、予算内で満足のいくクルマに出会えるでしょう。
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