車に詳しくなりたい、あるいはカスタムを楽しみたいと考える車好きの方の中には、意外と多くの人が「よくある勘違い」に陥っています。これはネットの情報の断片だけで理解したつもりになってしまうことが原因のひとつです。本記事では、車に関する代表的な誤解と正しい知識をわかりやすく解説していきます。
バッテリーが電装品を駆動している?
「バッテリーがスパークプラグやヘッドライトに電気を供給している」と思っている方は多いですが、実際にはエンジン始動後はオルタネーター(発電機)が主な電源です。
バッテリーの役割は主にエンジン始動時や停止中の補助。つまり走行中の電装品はオルタネーターからの電力で動いているのです。バッテリーの電圧が低下していると、オルタネーターにも負担がかかるため点検は重要です。
ハブボルト=剛性が高くなる?
「ハブボルトはナット式より剛性が高いからスポーツ走行向き」という声がありますが、これは一概に正しいとは言えません。ハブボルトは欧州車に多く、ボルト自体をホイール取り付け時に使います。
しかし剛性の差よりも整備性や設計思想の違いによるもので、安全性や走行性能に直結する要素ではありません。国産車でナット式が主流なのも合理的な理由があるのです。
高性能ブレーキなら制動距離が短い?
「高性能ブレーキ=制動距離が短くなる」と信じている人もいますが、それは誤解です。ブレーキの制動力はタイヤのグリップ力に依存するため、いくら高性能なブレーキでもタイヤが滑れば制動距離は伸びてしまいます。
また、高性能なブレーキは連続使用でのフェード耐性や耐熱性に優れるというのが主なメリットです。日常使いではオーバースペックになりがちな点も覚えておきましょう。
馬力が高ければ速くなる?
カタログスペックの馬力ばかりに目が行きがちですが、実際の加速性能や扱いやすさには車両重量やトルク特性、ギア比など複数の要素が絡みます。
例えば軽量で低トルクでもギア比が適切なら出足は鋭くなり、逆に高出力でも重量が重いと加速が鈍く感じることもあります。数値だけでは語れないのが車の面白さなのです。
エンジンオイルは高ければ高いほど良い?
高価なオイルが必ずしもすべての車に最適とは限りません。車種や使用環境、エンジン設計により適正な粘度や規格があり、それを無視したオイル選びは逆にエンジンに悪影響を与える可能性があります。
純正指定の粘度と品質基準を守ることが最も大切であり、「高価=高性能=最適」ではないことを理解する必要があります。
まとめ:正しい知識で愛車との付き合いをもっと楽しく
車に関する知識は深ければ深いほど楽しいものですが、思い込みや誤解のままでは、愛車にとって逆効果になることもあります。この記事で紹介したような誤解を正し、正しい整備・チューニングの考え方を身に付けていきましょう。
また、最新の情報はメーカーサイトや整備士などの専門家から得ることをおすすめします。自分と車の関係をより良いものにするためにも、情報の真偽を見極める力を身につけましょう。
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