車のエンジンオイルには指定された粘度が存在しますが、つい価格や在庫の都合で別の粘度を入れてしまうこともあります。この記事では、スズキ・ハスラー(MR92S・自然吸気モデル)で「10W-30」オイルを使用後、「0W-20」に戻すことに問題がないのかを中心に、オイル粘度変更の影響や正しい対処法を解説します。
エンジンオイルの粘度とは何か?
エンジンオイルの「0W-20」や「10W-30」といった表記は、オイルの粘度(オイルの硬さや流動性)を示すものです。左側の「0W」は低温時の粘度、右側の「20」「30」は高温時の粘度を表しています。
ハスラーの指定粘度「0W-20」は、寒冷時でもすぐにエンジン内部にオイルが行き渡り、省燃費性に優れているという特徴があります。
10W-30の使用による影響とは?
指定外の10W-30を使った場合、極端に言えば「エンジンを壊す」というほどの即時的なダメージは基本的にはありません。ただし、以下のようなリスクがあります。
- 始動直後のエンジン負荷が高まる:特に冬季などは10Wの粘度が高すぎて流動性が悪く、エンジン内部で摩耗が起きやすくなります。
- 燃費が悪化する:粘度が高いため、ピストンやクランクが動く際の抵抗が増します。
- 長期間使用でスラッジが溜まりやすい:特に短距離走行が多いときに高粘度オイルは燃焼残留物を蓄積させやすいです。
オイル粘度を指定に戻すことは可能か?
結論から言えば、次回のオイル交換で「0W-20」に戻すことは全く問題ありません。むしろ、早めに戻した方がエンジンの状態を良好に保つには望ましいです。
オイルフィルターも同時交換すると、10W-30の残油をさらに除去しやすくなります。また、エンジン内に古い粘度が多少残っていても大きな悪影響は出にくいです。
ディーラーや整備士が10W-30を選ぶ理由
実は整備工場では、在庫やコストの都合で「標準的な10W-30」を勧めるケースがよくあります。しかし車種によっては、指定粘度を外れることで保証対象外になる場合もあるため、ユーザーとしては要注意です。
整備士と相談する際は、整備記録簿を確認し「指定粘度に戻したい」旨を明確に伝えましょう。
実例紹介|粘度変更の体感談
筆者が所有していた軽ターボ車でも、夏場に10W-30を試したところ、高速走行中は安定感があるものの、冷間時のアイドリングが重くなる印象がありました。
次回のオイル交換で0W-20に戻したところ、明らかにエンジン始動が軽く、静粛性も向上しました。このように「戻す」ことに悪影響はなく、むしろ指定粘度の効果を改めて実感できます。
まとめ|オイル粘度は指定通りがベスト。戻すなら早めに
一時的に高粘度のオイルを使用してしまったとしても、焦る必要はありません。ただし、次回以降は指定された粘度「0W-20」に戻すことで、エンジン性能と燃費を最適に保てます。
可能であれば、オイルフィルターも同時交換し、整備記録にも粘度変更を明記しておくと安心です。「安いから」で選ぶより、「適切だから」を基準に選びましょう。
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