車の走行時に耳にする「ブ〜ンブ〜ン…ブリブリブリ…」という独特な音。これは、特にスポーツカーやチューニングカー、マフラーを交換した車両でよく見られる特徴です。音に敏感な人や興味を持つ人にとって、この音の正体は気になるところでしょう。
排気音の基本的な仕組み
自動車のエンジンはガソリンを燃焼させ、その圧力でピストンを動かして動力を生み出します。このとき発生した排気ガスは、エキゾーストマニホールドからマフラーを通って車外に排出されます。その過程で発生するのが排気音です。
純正マフラーでは静粛性を重視して設計されていますが、スポーツマフラーや社外マフラーに交換すると音の制御が緩くなり、迫力のある音が出るようになります。
「ブリブリブリ…」という音の原因
この音は排気ガスのパルスとバックファイア(アフターファイア)現象によって発生することがあります。燃焼しきれなかった未燃焼ガスが排気管内で再燃焼することで、連続した小さな爆発音が「ブリブリ」と聞こえるのです。
また、マフラーの内部構造(バッフルの数や太さ)、さらには車両のセッティングやターボの有無も影響します。たとえば、直管マフラーを装着した車両ではより顕著になります。
チューニング目的であえて音を強調する理由
一部の車好きにとって、排気音は車のキャラクターを表現する重要な要素です。特にスポーツカーや改造車のオーナーは、迫力あるエンジンサウンドを求めてあえて音を強調するマフラーやECUセッティングを選択します。
「爆音仕様」は決して偶然ではなく、意図的に音を出すことで「存在感」「パワー感」「走りの演出」を強調しているのです。
違法性とマナーの問題
ただし、音量が大きすぎる排気音は、道路運送車両法に違反する恐れがあります。音量基準(加速騒音規制など)を超える改造は車検に通らず、公道走行もNGです。
また、早朝や深夜に大きな排気音を立てて走行することは、騒音トラブルの元になり、社会的な迷惑行為と見なされることも。マフラー選びやセッティングの際は周囲への配慮が重要です。
音質を左右する主な要因
- マフラーの種類(純正/社外/直管など)
- エンジンの形式(NA/ターボ/ロータリーなど)
- ECUの燃調設定
- 排気量と気筒数
- 触媒やサブマフラーの有無
同じ車種でもマフラーを交換するだけで音質が大きく変わるため、「ブリブリ音」が出るかどうかも車両によって異なります。
実例:マフラー交換で音質が劇的に変化
たとえばスバルのWRXやマツダRX-8などの車種では、社外マフラーに交換することで「パンッ!」や「ブリブリッ」といったラウドな排気音が発生します。これは特に減速時やアクセルオフ時に顕著に聞こえます。
一方、BMWやベンツなど一部の欧州車でも、スポーツモードに設定するとエンジンサウンドが強調され、「擬似的な排気音(アクティブサウンドデザイン)」が室内に再生されることもあります。
まとめ:排気音の背景を知ると理解が深まる
「ブリブリ音」は単なる騒音ではなく、車の設計やオーナーの意図によって生まれるものであることが多いです。排気音はエンジン構造や排気システムのセッティングによって生まれるものであり、時に趣味性や演出として楽しむものでもあります。
ただし、音量には法的制限があり、マナーとルールを守って楽しむことが大前提です。
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