スーパーカーやスポーツカーに憧れを抱く子どもたちは多く、街中で珍しい車が停まっていると目を輝かせて近寄ってくることもあります。所有者としてはその気持ちに応えてあげたくなるもの。しかし、たとえ停車中であっても未成年に車のアクセルを踏ませることには一定のリスクがあります。本記事では、法的な観点と実際の注意点を解説します。
停車中でも「運転」とみなされる可能性は?
エンジンがかかった状態でアクセルを操作する行為は、厳密には「運転操作」に含まれる可能性があります。たとえ車が動かなくても、ハンドル・ペダルの操作は運転の一環と見なされ、運転免許を持たない者が行うと道路交通法違反に該当する可能性があります。
実際に過去の判例でも「動いていなくても操作していた」という理由で無免許運転とされた例もあり、注意が必要です。
子どもが車内で操作することのリスク
アクセル操作は当然ながら繊細なもので、誤ってギアが入ったり、思わぬトラブルに繋がる危険があります。ブレーキを踏んでいるつもりでも足が滑るなどして、突発的に車が動くリスクもゼロではありません。
特にAT車では「クリープ現象」もあり、ちょっとした不注意で前進することも。
たとえ敷地内でも責任を問われることがある
私有地内であれば法律が及ばないと思われがちですが、事故が起きた場合には損害賠償や過失責任が発生します。敷地内での事故でも、被害者や第三者への影響が出れば民事訴訟になる可能性があります。
また、仮に保護者が付き添っていたとしても、安全管理責任は車両所有者にあります。
中学生にアクセルを踏ませる行為の法的位置づけ
未成年が車両の操作を行うことは、運転免許制度の趣旨から逸脱しています。特に公道では絶対にNGですが、停車中や敷地内でも「教育目的」や「体験」であっても認められた行為ではありません。
また、他人の子どもであれば、親権者の同意がないままの行為には別のリスクも伴います。
安全な方法で憧れを叶えてあげるには?
アクセルを踏ませる代わりに、シートに座らせてメーターや内装を見せる、エンジンサウンドを聞かせるだけでも十分感動を与えることができます。
また、メーカー公式のキッズイベントなどでは、模擬的な操作体験も用意されていることがありますので、そういった機会を案内するのも良い選択です。
まとめ
停車中とはいえ、無免許の中学生に車のアクセルを踏ませることには法的・安全面のリスクが存在します。たとえ善意であっても予期せぬトラブルを招く可能性があるため、行動には慎重さが求められます。車の魅力を伝える方法は他にもたくさんありますので、安全かつ合法的な形で思い出を作ってあげましょう。
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