次世代EV技術として世界中が注目する「全固体電池」。特にトヨタ自動車は、2026年以降の実用化に向けて大きな進展を見せています。では、その全固体電池はどの車種に初搭載されるのか?本記事では、トヨタの開発動向や候補となる車種を踏まえつつ、全固体電池の魅力や今後のEV市場の変化についても解説していきます。
全固体電池とは何か?従来のリチウムイオン電池との違い
全固体電池(Solid-State Battery)は、従来のリチウムイオン電池の液体電解質を固体電解質に置き換えた新型バッテリーです。高エネルギー密度・高速充電・安全性の高さが特徴で、EV車の弱点だった「航続距離」や「充電時間」に対する不満を解決する可能性を秘めています。
具体的には、充電時間は従来の1/3、航続距離は1,000km以上といった次元の性能向上が見込まれています。
トヨタが描く全固体電池搭載車のロードマップ
トヨタは2023年に「2027~2028年までにコストを抑えた全固体電池搭載EVの量産を目指す」と発表しています。しかし、2026年に“ハイエンドモデルへの初搭載”というスケジュールも一部報道や技術資料から示唆されており、プレミアムEVへの先行投入が現実的とされています。
その候補として名前が挙がっているのが「LEXUS(レクサス)ブランドのフラッグシップEV」や「クラウンEV」などです。
MIRAIに全固体電池が搭載される可能性は?
「MIRAI」は水素燃料電池車(FCEV)として開発され、水素社会の象徴的な存在です。ネーミングから「未来の象徴」として全固体電池を積むのでは?という見方もありますが、技術的には「水素」と「全固体電池」は別路線であり、MIRAIの車体構造もEVバッテリー搭載向きではありません。
とはいえ、将来的に水素と電池のハイブリッド的な試みや「MIRAI」のネームバリューを活かした新シリーズが出る可能性は否定できません。
搭載される可能性が高いトヨタ車種は?
- レクサスLF-ZC:2026年量産予定のプレミアムEV。新型プラットフォームで開発中。
- 新型クラウンEV:2025年以降のEVラインアップ拡大計画に含まれている。
- bZシリーズの上位モデル:EV普及戦略の中核を担うbZシリーズに高性能モデルを投入予定。
これらの車種は、「高価格帯」「技術フラッグシップ」「ブランドイメージ重視」といった共通点があり、全固体電池の初採用にはうってつけの存在です。
今後の全固体電池とEV市場への影響
全固体電池はEV市場における「第二の革命」とも言われ、これまでEVに慎重だったユーザー層を取り込む可能性があります。
トヨタがこの分野で他社に先行することで、国内外でのEV競争におけるポジションを確固たるものにする狙いもあるでしょう。
まとめ:2026年、トヨタのEVに革新が訪れる
トヨタの全固体電池搭載車は、まずはレクサスなどのハイエンドモデルで登場する可能性が高く、「MIRAI」への搭載は現時点では技術的な課題もあると考えられます。
ただし、今後の展開次第では、EV・水素・全固体電池の技術が融合した新たな“未来型車両”が誕生する日もそう遠くないかもしれません。
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