1980〜90年代にかけて多くのスポーツカーに採用されたリトラクタブルヘッドライト(通称「リトラ」)。そのユニークなデザインは、今もなおクルマ好きから高い人気を集めています。しかし現在の日本国内では、安全基準の変化により新車での採用はほぼ絶望的です。この記事では、なぜリトラが愛され続けるのか、そしてもし復活したらどんな未来があるのかを考察します。
リトラクタブルヘッドライトとは?
リトラクタブルヘッドライトとは、普段は格納されていて必要なときにだけ前方へせり出すタイプのヘッドライトのことです。マツダ・RX-7やホンダ・NSX、トヨタ・スープラなどが代表的な車種です。
空力性能の向上や、デザイン面での美しさが魅力ですが、可動部分が増えることによるコストやメンテナンス性、安全性などが現代基準と合わなくなったことで廃れていきました。
現代の安全基準がリトラを排除した理由
現在の日本および欧州の自動車基準では、歩行者保護性能が重視されており、鋭利な形状のリトラクタブルヘッドライトは衝突時のリスクが高いとされています。
また、最新の自動車照明規格ではLED化やオートレベリング、アダプティブライトなどが求められ、これらを可動式ヘッドライトに組み込むのは設計上難しい面もあります。
それでもリトラを支持するファンが多い理由
リトラの人気の背景には「ノスタルジー」と「個性」があります。今の車が空力・燃費効率を優先した没個性的なデザインに寄っていく中で、リトラは一目で印象に残る特別な存在として語り継がれています。
中古市場でもリトラ車はプレミア化しており、状態の良いマツダ・ユーノスロードスター(NA型)などは現在でも高値で取引されています。
もし新車で復活したら?
仮にリトラクタブルヘッドライトが現代技術と規制の範囲内で復活したとしたら、一定のファン層に対して非常に魅力的な選択肢となるでしょう。特に限定モデルやEVスポーツカーなどとの組み合わせであれば、市場でも話題になる可能性は高いです。
ただし、大量生産車として登場する可能性は極めて低く、コストや保守性の観点からも企業にとってはリスクが大きいと言わざるを得ません。
過去の名車に学ぶ:リトラ搭載の人気車種例
- トヨタ・セリカXX
- ホンダ・プレリュード(2代目)
- マツダ・サバンナRX-7(FC3S)
- フェラーリ・F40
- ランボルギーニ・ディアブロ
これらの車はいずれもデザインと走行性能において高く評価され、今でもクラシックカーイベントなどでその姿を見ることができます。
まとめ:リトラはもう一度光を灯せるのか
現行の安全基準や市場動向から見て、リトラクタブルヘッドライトの新車搭載は現実的ではありません。しかし、その唯一無二の魅力は今も根強い人気を保っており、将来的に技術や基準が変われば復活の可能性もゼロではないでしょう。
もし復活したら、間違いなくクルマファンの心を掴む話題となるはずです。あなたは復活したリトラ車を、買いたいと思いますか?
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