マツダRX-7(FD3S)において、冷却水のリザーバータンクに原因不明の透明な液体が増えているといったトラブルに悩まされるケースがあります。特に大雨のあとなどに発生しやすいことから、「リザーバータンクの水抜き穴から雨水が侵入しているのでは?」という疑問を持つオーナーも少なくありません。本記事では、FD3Sのリザーバータンクに関する構造的な特徴や雨水混入の可能性、そしてその対策について詳しく解説します。
FD3Sのリザーバータンク構造と水抜き穴の役割
FD3Sのリザーバータンクには、オーバーフロー時の排出経路として設けられた水抜き穴(ベント穴)があります。この穴は通常、圧力が高まった際に余剰冷却水を排出するための通気口的な役割を持ちます。
しかし、経年劣化や過去のオーバーフローによりホースの接続が緩くなっていたり、リザーバータンク上部の構造が劣化してしまうことで、外部から水分が逆流する可能性も完全には否定できません。
雨水混入の可能性と検証事例
オーナーの中には「車を動かしていないのに水位が上がった」「大雨の後にだけタンク内の液量が増えている」といった報告をされる方もいます。このような事例から、雨水がベント穴やタンク上部から侵入している可能性が考えられます。
特にオーバーフロー時に水抜きホース内に冷却水の痕跡が残っていると、毛細管現象や逆流などで少量の水分がタンク内に戻る構造的弱点が生まれる可能性もあります。
また、ボンネット裏のゴムパーツやシール材の劣化により、タンク周辺に水が直接かかる状況が生まれると、ベント穴からの混入を助長してしまうことも。
タンクやホースの点検ポイント
以下の点をチェックすることで、雨水混入の原因を絞り込むことができます。
- リザーバータンクの上部キャップやベント穴の密閉性
- ベントホースの接続状態や割れ
- ボンネット側の雨除けゴムの状態(硬化・破損)
- 水位上昇時の液体の性質:匂い、粘性、色
透明で無臭・低粘性の場合は冷却水でなく雨水である可能性が高く、エンジンからの圧送やLLCの膨張による上昇とは区別することができます。
防止策と応急対応法
雨水混入を防ぐには、以下のような対策が有効です。
- リザーバータンクのベント穴を耐水性通気フィルター付きのキャップに交換
- ベントホースにワンウェイバルブ(逆止弁)を設置
- タンク周辺をビニールカバーやシーリング材で防水処理
- 大雨の際はタンク周辺を養生テープなどで一時的に防水
また、タンク自体が経年劣化している場合は、社外品または純正新品への交換も視野に入れると安心です。
まとめ
FD3Sのリザーバータンクにおける水位の異常上昇は、オーバーフローによる冷却水の戻りだけでなく、雨水の混入という外部要因が関係している可能性もあります。ベント穴やタンク構造の経年劣化を見逃さず、点検と対策を講じることがトラブル防止のカギとなります。
特にハードな気候条件や旧車の整備では、小さな穴や劣化部位が大きな不具合に繋がるリスクもあるため、愛車の状態をしっかり確認しながら、適切な補修・防水処置を施しましょう。
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