車高調を取り付ける際、前後同時に施工するのが理想ですが、時間や予算の都合で一部だけ装着するケースもあります。特に「リアショックは未交換でスプリングだけ変更した状態」で車高がどう変わるのか疑問を持つ人は少なくありません。この記事では、車高調と車高の関係、そしてリアショック交換の影響について、仕組みから解説していきます。
車高調とは?基本構造と役割をおさらい
車高調(車高調整式サスペンション)は、スプリングとショックアブソーバーが一体となり、車高や減衰力を調整できるサスペンションパーツです。
主な構成要素は以下の通りです:
- ショックアブソーバー(ダンパー)
- スプリング(コイル)
- 車高調整用ネジ(ロアシートなど)
これらの部品が連動して働くことで、乗り心地や操縦安定性、車高の自由なセッティングが可能になります。
リアショックが純正のままだと車高は変わらない?
スプリングだけを変更した場合でも、一定の車高ダウンは可能です。しかし、その下がり具合や乗り心地の変化には限界があります。なぜなら、ショックアブソーバー(ダンパー)が純正のままだと、スプリングの自由長やバネレートに対して適切に対応できないためです。
特に、車高調用のスプリングは自由長が短いものが多く、純正ショックと組み合わせるとバンプタッチが早まったり、乗り心地が極端に悪化するケースがあります。
ショックアブソーバーを変えると車高が下がる理由
車高調のショックは、ストロークが短く設計されており、ロアブラケットの取り付け位置自体が低くなっていることが多いため、ショックを交換すると車高自体がさらに下がる可能性が高いです。
たとえば、リアにフルタップ式の車高調を入れると、スプリングのプリロード調整に加えてショックの長さ自体で細かい車高調整が可能になります。
ショックを未交換で使用するリスクと弊害
スプリングのみ交換しショックが純正のままだと、以下のような問題が発生しやすくなります。
- ダンパーストローク不足による乗り心地の悪化
- バンプラバーへの接触が早くなり、異音や突き上げ発生
- コーナリング時の安定性が低下
- ショックの早期劣化
特に、バネレートが上がったスプリングに純正ショックが対応できない場合、ショックが伸び縮みするタイミングとバネの動きが合わず、跳ねる・突き上げるといった現象が起きやすくなります。
実際の装着事例と車高の変化
あるユーザーは、リアに車高調用の短いスプリングのみを取り付けたところ、約15mmのダウンが得られましたが、ショックを車高調キットのものに交換したところ、さらに20mm以上車高が下がり、乗り心地も大幅に改善されたとのことです。
このように、ショックの交換は見た目だけでなく性能面でも大きな違いを生み出します。
まとめ:ショック交換で車高と乗り心地のバランスを最適化
リアのショックが純正のままでもスプリングだけである程度のローダウンは可能ですが、本来の車高調の性能を引き出すにはショックの交換が不可欠です。車高だけでなく、走行性能や快適性を含めたトータルバランスを考えると、できるだけ早めにショックも含めて交換することをおすすめします。
次回の整備タイミングでは、ぜひショックも含めた完全な車高調整を検討してみてください。
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