日本では、車格が小さいスクーターはすべて“原付”だと誤解されがちです。しかし、排気量・法規制・性能は明確に異なり、見た目だけで判断するのは危険です。この記事では、リード125やアドレスV125といった125ccクラスのスクーターと原付一種との違いや、性能・免許制度・安全面での違いをわかりやすく解説します。
「原付」の定義と誤解されやすいポイント
道路交通法における原付とは「排気量50cc以下」の車両を指します。これを「原付一種」と呼び、速度制限は30km/h、二段階右折の義務が課されます。誰でも乗れる手軽な乗り物というイメージが定着していますが、125ccクラスのスクーターはこれに該当しません。
リード125（JK12）やアドレスV125は「原付二種」と呼ばれるカテゴリーで、法律上は完全に別の扱いです。外見だけで“原付”と思われがちですが、機能も性能も上位クラスです。
125ccスクーターの性能は段違い
例えば、ホンダ・リード125の最高出力は約11馬力、PCX125は約12.5馬力。これは、原付一種（4〜5馬力）の2倍以上にあたります。海外ブランドのベスパでは同じような車格でも排気量が200〜300ccということも。
つまり、車体がコンパクトだからといって「遅い」「簡単」とは限らないのです。むしろ、125ccは街乗り・通勤に最適な“機動性と実用性のバランスが取れた”カテゴリーです。
免許区分と運転ルールの違い
原付一種：普通自動車免許で運転可／制限速度30km/h／二段階右折あり
原付二種（〜125cc）：小型二輪免許または普通自動二輪免許が必要／制限速度は通常の道路と同様／二段階右折なし
これだけ見ても、運転時の負担やストレスは125ccのほうが少なく、車の流れに乗れるぶん安全性も高いのです。だからこそ、制度上も免許区分がしっかりと分かれています。
ナンバーと色で判断される現実
多くの人が“ナンバープレートの色”でバイクを判断します。
- 白ナンバー：原付一種（〜50cc）
- ピンクナンバー：原付二種（51〜90cc）
- 黄色ナンバー：原付二種（91〜125cc）
この色分けによって、たとえ小さな車格のバイクでも、法的にはまったく別モノだということが視覚的に示されています。
ちなみにベスパGTSなどは278ccでも同じようなサイズ感で、軽く25馬力を超えるものもあります。見た目に惑わされてはいけません。
正しい認識が安全にもつながる
誤解のまま運転や譲り合いをすると、事故や違反の原因にもなりかねません。特に四輪ドライバーが125ccを「遅い原付」と誤解し無理に追い越そうとすることが多く、この誤認識が危険な場面を生むこともあります。
また、原付二種はファミリーバイク特約が使えるなど、保険面でもメリットがあり、通勤・通学の強い味方となる存在です。
まとめ：見た目で判断せず、排気量と制度を正しく理解しよう
125ccクラスのスクーターは“原付”ではなく、法的にも性能的にも明確な違いがあります。見た目が小さくてもパワフルで、免許やルールも異なります。
交通社会の一員として正しい理解を持ち、無用な誤解を避け、安全な運転環境をつくることが大切です。あなたの愛車がどんなカテゴリなのか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
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