日産フェアレディZ、特に初代S30Zと2代目S130Zは、日本を代表するクラシックスポーツカーとして世界中のファンを魅了し続けています。現在ではプレミア価格となっているこれらのモデルですが、2000年から2010年頃には、まだ比較的手の届く価格帯で流通していた時期でもありました。この記事では、その当時の市場相場や実際の取引事例をもとに、当時の価格感や背景を詳しく解説していきます。
2000年代初頭〜中盤におけるS30Zの中古車相場
2000年代の初め頃、S30Z(フェアレディZ初代モデル:1969年〜1978年)はまだ「旧車」としての評価は高まりつつあるものの、現在のような投資対象にはなっていませんでした。
程度にもよりますが、走行可能な個体で150〜250万円程度、極上車でも300万円未満で取引されていたケースが多くありました。
特にZ-L仕様(SUツインキャブ搭載)やS20エンジンを積んだ432型は別格で、当時でも500万円以上の価格がつく例も存在しましたが、一般的な240ZやS30型は今よりもはるかにリーズナブルでした。
S130Z(2代目フェアレディZ)の価格傾向
1978年〜1983年に販売された2代目S130Zは、当時の評価としては「旧車」よりも「古めのスポーツカー」に分類される傾向にありました。そのため、価格はS30よりも一段低めでした。
2000年代中盤での相場は、状態の良い個体で70〜150万円程度。MT・ノンターボのNA車であれば50万円以下で購入できたという声も多くあります。
特に人気だったのは2シーターのZ-Tやターボモデルでしたが、それでも200万円以上になることは稀でした。
実際の取引事例と当時のユーザー証言
たとえば、2005年にZ専門ショップで240Z(S30)をレストアベースで購入したオーナーは、「170万円で外装OK、内装・足回りは要メンテ」という内容だったと語っています。
また、2008年頃に個人売買でS130Z・Z-Tターボ(5MT)を95万円で購入したという実例もあり、当時は「状態さえ目をつぶれば100万円以下でも狙えた」との証言が多く残っています。
価格差があった理由とは?
S30Zはそのデザイン性や国内外での人気、パーツ供給の豊富さから高値がつきやすい傾向にありました。一方でS130Zは「角ばったデザイン」「電子制御の過渡期」という評価もあり、当時の旧車マニアからはやや敬遠される存在でもあったのです。
そのため、S30Zの方が全体的に高値で取引されていたことは間違いありません。
現在との価格差とその背景
現在、S30Zの極上車は1000万円超、S130Zでも状態次第では300〜500万円という価格がついており、当時に比べて2倍〜5倍近くの価格上昇を見せています。海外市場の需要や部品供給の問題、ネオクラシックカー人気の高まりが主な要因です。
この流れから、当時200万円で買えたS30Zは、まさに“買い時”だったと言えるでしょう。
まとめ:2000年代はZを手に入れる最後のゴールデンタイムだった
2000年〜2010年頃は、S30Z・S130Zともに今よりもはるかに手頃な価格で購入可能だった貴重な時代でした。S30Zは200万円前後、S130Zなら100万円以下も珍しくなく、コンディション次第では相場よりも大きく安く手に入れることができたケースも多々あります。
今後も価格は上昇する可能性が高いため、当時の相場を知ることは旧車市場の変化を理解するうえで非常に価値のある情報となります。
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