「足回りだけで2000万円以上掛けた」と聞くと、多くの人が驚くかもしれません。一般的な車両の価格を優に超えるこの金額、一体どのようなカスタマイズが行われているのでしょうか?この記事では、プロレーサーやハイエンドカスタム志向のオーナーがこだわる“足回りの世界”を深掘りしていきます。
足回りとは?基本構成を理解しよう
車の「足回り」とは、主に以下の構成部品を指します。
- サスペンション(ショックアブソーバー&スプリング)
- アーム類(ロアアーム、アッパーアームなど)
- ホイール&タイヤ
- ブレーキ(キャリパー、ディスク、パッド)
- ハブ&ベアリング
- スタビライザー、ブッシュ類
これらをトータルでチューニングすることで、乗り心地、ハンドリング、制動力、旋回性能といったすべての走行フィールに影響します。
2000万円超の改造費、何にかかっている?
2000万円もの費用がかかる主な要素には以下のようなものがあります。
- F1級のインボードサスペンション設計:カーボン製アームやチタン部品を多用した完全オーダーメイド。
- カスタムダンパー:オーリンズ、KW、ザックスなどのレーシングスペックに合わせてセッティング。1台数百万円以上。
- カーボンセラミックブレーキ:市販車でも1セットで400〜600万円超。フェラーリやポルシェの純正グレードを凌駕。
- 超軽量鍛造ホイール+特注タイヤ:F1やGT3車両用に近いものを採用。1セット数百万円。
- 測定と調整用機器&セッティング費用:シャーシダイナモや3Dアライメントシステムを用いた高度なセッティング。
これらが全て「市販品」ではなく、レーシングカー同様に車体に合わせて開発・加工・装着されていくことを考えると、2000万円超の費用も納得できます。
実例:モータースポーツ由来の超高額カスタム
例:NISSAN GT-R(R35)での例
・サスペンション:オーリンズTTX 4way特注(約500万円)
・アーム一式:スフェリカル+ジュラルミン削り出し(約250万円)
・ブレーキ:APレーシング or ブレンボCCB換装(約500万円)
・ホイール+タイヤ:BBS-FI-R+ミシュランCup2(約200万円)
・セッティング費用(解析含む):約300万円〜
さらに、車体への溶接補強やジオメトリー変更まで行えば、その費用は2000万円を超えるケースも珍しくありません。
なぜそこまで足回りにこだわるのか?
元レーサーが「足回り」に多額の費用を投じる理由は明確です。走行性能の肝となるのが足回りであり、特にトラクション・ブレーキング・コーナリングの性能は命に関わる重要な要素だからです。
また、彼らにとってクルマは“嗜好品”でもあり、完全に自分の理想に合わせた挙動を追求する楽しさこそが最大の価値とも言えるのです。
まとめ:足回りへの投資は“究極の自己表現”
足回りに2000万円をかけるというのは、一般的な感覚では考えられない世界かもしれません。しかし、その費用の裏には、技術、情熱、経験、そしてこだわりが凝縮されています。モータースポーツの世界を垣間見るような足回りチューニングの奥深さを理解すれば、「高すぎる」とは一概に言えない、まさに“走る芸術”なのです。
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