バイクのリアブレーキから「キーッ」という不快な鳴きが発生するのはよくある悩みです。特に納車から間もない車両でも起こるため、「故障なのでは?」と心配になる方も多いでしょう。この記事では、リアブレーキの鳴きの原因と対策、コスパの良い鳴き止めグリースやスプレー、そして具体的な塗布ポイントを初心者向けにわかりやすく解説します。
バイクのリアブレーキが鳴く主な原因
ブレーキ鳴きの多くは「パッドとディスクの振動」が原因です。金属同士がこすれる際の微振動が音として出るため、異常ではないケースがほとんどです。
代表的な原因は以下のとおりです。
- パッドの角が立っている(新品によくある)
- パッドとキャリパーの隙間で微振動が発生している
- パッドの当たりがまだ出ていない
ただし、長期間鳴きが続く、または異音が極端に大きい場合は、ディスクのゆがみやパッドの偏摩耗などが原因の可能性もあるため、点検が必要です。
おすすめの鳴き止めグリース・スプレー
市販されているブレーキ鳴き止め用品には、グリースタイプとスプレータイプがあります。以下は信頼性が高く、コスパも良い製品です。
- スプレータイプ:
・KURE(呉工業)「ブレーキ鳴き止めスプレー」
・AZ「ブレーキパッドグリーススプレー」
→手軽に使えるが、塗布場所を誤ると逆効果に。 - グリースタイプ:
・ワコーズ「ブレーキプロテクター」
・エーゼット「ブレーキグリース 高温対応タイプ」
→耐久性・密着性に優れ、効果が長持ちします。
注意:ブレーキディスクやパッドの摩擦面には絶対に塗らないでください。制動力が落ち、大事故につながります。
鳴き止めグリースを塗る具体的な場所
鳴きを抑えるためにグリースやスプレーを塗るポイントは次の3か所です。
- ブレーキパッドの裏側(ピストンが当たる面)
→ピストンとパッド間の摩擦・振動を減らします。 - パッドとキャリパーの接触部
→パッドをスライドさせるガイド部分、左右の耳(突起)がはまるところ。 - キャリパーのピンやスライドピース
→ここが錆びて動きが悪いと、鳴きや引きずりが起こります。
塗布には綿棒や小さな筆を使い、ごく少量で薄く伸ばすようにしましょう。塗りすぎは逆効果です。
作業の流れと注意点
以下は鳴き止め処理の基本手順です。
- リアブレーキのキャリパーを外す(整備マニュアル参照)
- パッドを取り外し、裏面・ガイド部を清掃
- 適量のグリースを塗布
- パッド・キャリパーを元通りに組み付け
- ブレーキを数回握ってエア抜けや作動確認
注意:分解整備は技術と工具が必要です。不安な方は無理せずバイクショップに依頼してください。
まとめ:ブレーキ鳴きは「磨く」より「正しく塗る」ことが重要
リアブレーキの鳴きは異常ではなく、多くが振動やパッドの当たりによるものです。磨くというよりも、接触部への適切なグリース塗布が効果的な対処法となります。
市販のブレーキグリースやスプレーを使えば、自分でも比較的簡単に対策が可能ですが、安全性を最優先し、無理のない範囲で作業しましょう。気になる場合は、信頼できるバイクショップに相談するのが安心です。
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