現代のオートマ車はほとんどCVT？ATとの違いや車種別の傾向を徹底解説

「オートマ車＝CVT」と思われがちな現代の車事情。確かに近年、CVT（無段変速機）を採用する車種が増えているのは事実ですが、すべてがCVTというわけではありません。本記事では、ATとCVTの違い、メーカーや車種ごとの採用傾向、そして今後の動向について詳しく解説します。

CVTとは何か？ATとの違いを整理

CVT（Continuously Variable Transmission）は、ギアの段階がない連続可変式の変速機構です。加速時にスムーズな走行感を実現する一方で、走行フィールが「ラバーバンド感」と称されることもあります。

一方、従来型のAT（トルコン式オートマチック）は、明確なギア段階を持ち、変速のタイミングが分かりやすいのが特徴です。スポーツ走行や高トルクが求められる車種では、現在も多く採用されています。

軽自動車やコンパクトカーを中心に、現在の日本国内のオートマ車の多くがCVTを採用しています。たとえばホンダのN-BOXや日産ノート、スズキのワゴンRなど、多くのモデルにCVTが搭載されています。

燃費性能を重視する車種では、CVTの効率の良さが魅力とされ、開発も進んでいます。トヨタやスバルのハイブリッド車でもCVTが主流になりつつあります。

CVTは高出力のエンジンには不向きな傾向があります。そのため、トヨタのクラウンやアルファードの上位グレード、スバルのWRX、日産のZ、ホンダのシビックタイプRなどは多段ATやDCT（デュアルクラッチトランスミッション）を採用しています。

特にスポーツカーや大型SUVでは、耐久性や走行性能を重視し、CVT以外の方式が主流です。

輸入車では、CVTの採用は日本ほど一般的ではありません。ドイツ車やフランス車、アメリカ車の多くは、トルコンATやDCTが主流です。特に欧州車では走行性能を重視する傾向が強いため、多段ATの採用率が高くなっています。

一部アジア圏のモデル（たとえば台湾製や中国市場向け）では、CVTを採用するケースもありますが、日本ほどの浸透度は見られません。

電気自動車（EV）ではトランスミッション自体を持たないか、単速ギアを採用するケースが多く、CVTやATの出番は減る可能性があります。しかしハイブリッド車との兼ね合いでCVTの技術はまだしばらく発展を続けると見られます。

また、DCTやe-CVTなどの新しい変速方式も開発が進んでおり、今後はより車種に応じた多様なトランスミッションが並存する時代になると考えられています。

現在のオートマ車の中でCVTは確かに多く採用されていますが、用途や車種、ブランドによってATやDCTなど他の方式も依然として存在感があります。特に走りの性能を求める車種では、今後もCVT以外の選択肢が重要な位置を占め続けるでしょう。

自分の運転スタイルや用途に合った変速機構を理解することで、車選びの精度がぐっと高まります。