ホンダの原付スクーター「ズーマー(ZOOMER)」は、その独特な無骨スタイルとカスタムの自由度から、長年にわたり高い人気を誇ってきました。2020年代に入り、50ccバイクの生産終了が相次ぐ中、ズーマーの中古市場価格にも変化の兆しが見られます。今回はロンホイ(ロングホイールベース)カスタム車を購入された方や、将来的な資産価値に関心がある方向けに、ズーマーの価値推移や今後の展望について詳しく解説します。
ズーマーの人気の背景とカスタム文化
ズーマーは2001年に登場し、シンプルかつミリタリーテイストなデザインが若年層を中心に人気を集めました。軽快でメンテナンスしやすい構造から、カスタムベースとしても定番化しています。特にローダウンやロンホイ仕様は、スタイル重視のユーザーに支持されています。
また、海外市場ではRuckus(ズーマーの北米モデル)がカスタムシーンで根強い人気を持っており、国内外問わず中古市場で注目される存在です。
50ccバイクの生産終了がもたらす中古市場への影響
2020年代に入り、排ガス規制(令和2年排出ガス規制)などの影響で、50ccバイクの新車生産が終了したモデルが相次いでいます。ズーマーもすでに新車での販売は終了しており、今後新たに手に入れるには中古車しか選択肢がありません。
このような供給の減少は、中古市場における価値の上昇要因となります。特に整備状態の良い車両や、人気カスタムが施されたものはコレクター需要も高まりやすく、価格上昇の可能性を秘めています。
カスタムズーマーの価値はどう評価されるか?
ロンホイやローダウン、外装変更などのカスタムが施されたズーマーは、一般的に「ノーマルより価値が落ちる」と言われがちですが、それは一概には言えません。ポイントは「センスと仕上がりの良さ」、「純正パーツの有無」、「構造変更や改造申請の有無」などが大きく影響します。
たとえば、ショップ制作のカスタム車で、パーツ構成や配線処理まで丁寧な個体はカスタムファンに高値で売れるケースもあります。一方、素人整備による不安定な車両は敬遠されがちです。
今後ズーマーの相場が上がる可能性
以下の要因から、ズーマーの価格が今後上昇する可能性は十分にあります。
- 50cc新車の供給停止による市場希少性の上昇
- 若年層の原付ブーム再燃やリターンユーザーの増加
- SNSやYouTubeでのカスタム需要の喚起
- アジア諸国での逆輸入需要の増加
特に2025年以降、良質な個体が減っていくにつれ、価格上昇の傾向が強くなると見られています。
注意:必ずしも「投資目的」に適するとは限らない
価格上昇の可能性はあるとはいえ、ズーマーを投資目的で購入するのは慎重に検討すべきです。中古バイクは維持費や保管状況で状態が大きく左右され、期待通りに価値が上がるとは限りません。
仮に180,000円で購入した車両が将来的に250,000円になったとしても、整備費・保管費・名義変更手数料などを含めると差額利益は限定的です。そのため、「自分が気に入って長く乗れること」を第一に考えるのが得策です。
まとめ:ズーマーは趣味と実用を兼ねた「価値ある一台」
ズーマーはカスタムの自由度や希少性から、今後も一定の中古需要が期待できるモデルです。とくにロンホイ仕様などは、魅力あるカスタム車としてファンに支持され続けるでしょう。価格上昇の可能性もありますが、最終的には自身の満足度とバイクライフが最優先。長く愛着を持って乗ることで、ズーマーの価値はさらに高まるはずです。
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