近年、メルカリやヤフオクなどの個人間取引プラットフォームでバイクを購入する人が増えています。グーバイクやバイクショップと比べると、価格が10万〜20万円ほど安い場合も多く、「本当にお得なのでは?」と感じることも少なくありません。しかし、価格の安さの裏に潜むリスクや注意点を知らないまま購入すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
なぜメルカリ・ヤフオクは安いのか?
まず最初に気になるのは「なぜここまで安いのか?」という点です。最大の理由は販売手数料や店舗運営コストが不要なことにあります。個人売買であれば中間マージンが発生せず、出品者が自由に価格を設定できるため、割安感のある価格が提示されるのです。
また、売り急ぎや引っ越しによる処分目的で、相場よりも安く出されることもあります。中には状態の良い掘り出し物が見つかる可能性もあります。
見た目では分からない整備状況のリスク
個人売買の最大のデメリットは、整備状況や不具合の有無が保証されない点です。走行距離が少なくても、定期的なメンテナンスがされていなければ、購入後に高額な修理費が発生する可能性があります。
たとえば、「タイヤ溝はあるが製造年が古くグリップ力が落ちている」「ブレーキパッドがすり減っている」「オイル交換歴が不明」など、購入前にチェックできない部分が多くあります。
配送・名義変更の手間と費用
バイクの購入後は、陸送手配や名義変更が必要です。これは想像以上に手間がかかる作業で、特に初めて購入する人にとっては大きなハードルです。
たとえば、陸送費用だけで数万円かかることもあり、「安かったはずが結局ショップと変わらなかった」というケースも珍しくありません。名義変更手続きも陸運局への出向が必要で、平日に時間を確保する必要があります。
トラブル時の対応と保証の違い
バイクショップであれば、納車整備や保証制度、アフターサービスがありますが、個人売買には基本的にありません。「ノークレーム・ノーリターン」が原則であり、購入後の不具合について出品者が対応してくれる保証はありません。
過去には「エンジン不調なのに問題なしと記載されていた」「転倒歴があったのに隠されていた」といったトラブルも報告されています。
失敗しないために押さえるべきチェックポイント
- 出品者の評価と過去の取引履歴を確認する
- 整備記録やメンテナンス履歴の有無を確認する
- 可能なら現車確認を行う
- 費用総額(本体+配送+整備+名義変更)を試算する
- 最初から整備費用の上乗せを想定しておく
まとめ:価格の魅力とリスクを天秤にかけて判断を
メルカリやヤフオクでのバイク購入は、確かに価格面でのメリットがあります。しかし、整備や保証、名義変更などの「見えないコスト」も多く存在します。価格に惑わされず、リスクと手間をしっかりと理解した上で判断することが、後悔しないバイク選びのカギです。
「知識と準備」があれば掘り出し物に出会える可能性もある一方で、不安が大きい方にはグーバイクや店舗での購入が安全と言えるでしょう。
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