スーパーカブをカスタムする中でも注目されるのが「直流点火(DC CDI)化」です。純正の交流点火(AC CDI)では得られない安定性や始動性が向上し、点火タイミングの調整も容易になります。本記事ではDC CDI化のメリットと、流用できるおすすめCDI、注意点を実例とともに解説します。
DC CDIとは?AC CDIとの違い
AC CDI(交流点火)は、エンジンの発電で得たAC電源を直接使用して点火を行います。一方、DC CDIはバッテリー電源(DC電源)を介して点火コイルに送電します。
メリット:始動性の向上・回転数による電圧降下に左右されない・パワーアップ対応CDIが多い
DC CDI化の主なメリット
- アイドリング〜高回転まで安定した火花供給
- カスタムマフラーやボアアップ車両との相性◎
- 始動時にキック力が弱くても始動可能
特にボアアップ済みやエンジンセッティングに敏感な車両においてはDC CDI化の恩恵が大きくなります。
流用可能なおすすめDC CDI一覧
DC CDIに交換する際、以下のような市販CDIがスーパーカブに流用可能です。なお、カプラー形状や配線本数に注意が必要です。
製品名 | 適合/流用例 | 特徴 |
---|---|---|
YOKO Racing DC CDI | リトルカブ、カブ50/90 | カットリミッター無しで高回転対応 |
POSH スーパーバトルDC CDI | CD90/CD50系 | 進角マップあり・ボアアップ対応 |
デイトナ ハイパーDC CDI | カブ110、モンキー125 | 12V対応・セーフティリミットあり |
CDIを流用する際の配線注意点
DC CDIを導入するには、車両側にバッテリーが搭載されていることが前提です。また、配線加工が必要になるケースが多いため、以下の点を事前に確認しましょう。
- IGN(イグニッション電源)がCDIに供給されているか
- ピックアップ(パルス)信号線の極性が合っているか
- 点火コイルへの接続先を明確にする
CDIによってはピックアップの信号レベル(5V/12V)が異なるため、点火しない・失火の原因にもなります。
実例:カブ90にPOSH DC CDIを流用
あるカブ90ユーザーは純正AC CDIからPOSHのスーパーバトルCDI(DC)へ交換。配線図を参考に5ピン配線を作成し、キック始動後のアイドリングが明らかに安定したとのこと。
その際、ピックアップコイルの極性が逆だったため点火不良が発生したが、逆接続で無事解消。
失敗しないためのチェックポイント
- バッテリー電圧が常時12V以上供給されているか
- CDIの配線色と車両側の信号線を正確にマッチングさせる
- 点火コイルも高効率タイプへ交換推奨(NGKパワーコイルなど)
汎用品の多くはカプラーオンではないため、ギボシ加工やハーネス分岐が必要です。
まとめ|DC CDI化でスーパーカブはさらに快適に
スーパーカブのDC CDI化は、エンジン始動性・安定性を向上させ、カスタムにも柔軟に対応できる強力なチューニング手法です。
配線やCDIの選定を誤ると始動不能になる恐れもあるため、実績ある製品を選び、正確な配線を心がけることが大切です。
不安がある場合は、専門のカスタムショップや整備士に相談するのも有効です。
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