ヤフオクなどの個人売買市場では、年式はやや古いものの走行距離が極端に少ないバイクが出品されていることがあります。こうしたバイクは「お得そう」と思える反面、「何か事情があるのでは?」と慎重になるのも当然です。本記事では、走行距離が1,000km程度の2017年式バイクを購入する際のチェックポイントや注意点を丁寧に解説します。
走行距離が少ない=良コンディションとは限らない
走行距離1,000kmというのは、新車同然に見えますが、必ずしも「状態が良い」とは限りません。問題はバイクが定期的に動いていたかどうかです。エンジンやバッテリー、ゴム類、燃料系統は、動かさず放置していた場合に劣化しやすい部分です。
例:6年以上放置されていたバイクでキャブレターが固着し、修理費に5万円以上かかったケースもあります。
2017年式という年式の注意点
年式が2017年ということは、すでに6年以上が経過しています。走行距離が少ないとはいえ、バッテリーの寿命やタイヤの劣化、ガソリンタンクの内部サビなど、年数による劣化は避けられません。
特にゴムパーツ(タイヤ・ブレーキホース・オイルシール類)は、経年劣化でひび割れや硬化が起きやすいため要確認です。
カスタム車両の場合のリスク
軽度なカスタム(マフラー・グリップ交換など)は問題になりにくいですが、電装系や足回り、ECUなどを大幅にいじられている場合、純正との相性や故障リスクが高くなります。
例:ハイパワーECUに変更されたバイクで燃調が合わず、エンジン焼付きが発生した例があります。
実走行かどうかを確認する方法
「実走行」という記載がある場合でも、完全に信用できるとは限りません。整備記録簿の有無、メーター交換歴の記載、車検証の走行距離履歴などを照合することで、ある程度の信頼性を判断できます。
オークション評価点が記載されている場合は、「評価点4以上」であれば目安として安心材料になります。
信頼できる販売元かも重要な判断材料
出品者が個人か業者かによってもリスクは異なります。保証や整備記録が明示されているバイク店出品のものなら、個人売買より安心度は高くなります。
全国オートバイ協同組合連合会(AJ)の加盟店など、一定の整備基準を満たす業者での購入が安心です。
実際にチェックすべきポイント一覧
- エンジン始動状態(セル一発でかかるか)
- 異音の有無(アイドリング・走行中)
- タイヤやブレーキのひび割れ
- オイル漏れ・錆の有無
- 保管場所(屋内・屋外)の確認
可能であれば現車確認をし、試乗までできれば理想的です。
まとめ:距離より「保管・整備状態」が重要
走行距離が少ないバイクは魅力的に映りますが、年式や保管状態、カスタム内容など、チェックすべきポイントは多岐に渡ります。特に6年以上前の車両であれば、「実走行=安心」とは言い切れないため、現車確認や整備履歴の確認を徹底しましょう。
結果的に、「しっかり整備されていた1万km走行車」のほうが、「整備不良の1,000km車」より安心なことも少なくありません。
コメント