中古車市場には「修復歴あり」と記載された車が数多く存在します。価格が安く魅力的に見える一方で、リスクや注意点もあるのが実情です。この記事では、修復歴車の基本から、実際のデメリット、購入時に注意すべきポイントを具体例とともに解説します。
修復歴とは?その定義を正しく知る
「修復歴あり」とは、交通事故などにより車の骨格部分(フレーム)に損傷が生じた履歴があることを指します。バンパーやドアの交換のみといった外装部品の修理は含まれません。
日本自動車査定協会などのガイドラインでは、「ピラーやクロスメンバーの修正・交換が行われた車両」を修復歴車と定義しており、安全性に直結する箇所が対象です。
修復歴車のメリット:価格が安い
最大のメリットは価格の安さです。新車価格に比べて30%以上安くなることも珍しくありません。予算が限られている方や、とりあえずの足車を探している人には選択肢の一つになり得ます。
例として、同年式・同走行距離のトヨタ・アクアの場合、修復歴なしの車両が90万円だったのに対し、修復歴ありは60万円程度で販売されていることもあります。
修復歴車の主なデメリット
- 走行性能・安全性の不安:骨格部分の修復が不十分だと、衝突時の衝撃吸収性能が落ちる可能性があります。
- 将来的な故障リスク:見えない内部にダメージが残っていることがあり、特に足回りや電装系のトラブルが懸念されます。
- 下取り・売却時の価格が大幅に下がる:次の買い手にとってもリスクがあるため、リセールバリューが低くなります。
また、保険の加入や車検にも影響する可能性があるため、購入前の確認が欠かせません。
見極めのポイント:信頼できる販売店と第三者チェック
修復歴ありの中古車を検討する際は、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 修理の内容を詳しく確認:販売店にどの部分を修復したか、交換か修正かを確認します。
- 第三者機関の鑑定書付き車両を選ぶ:AISなどの査定士による評価書がある車両は安心感が高まります。
- 試乗して挙動をチェック:直進安定性、ハンドルの戻り、異音の有無などを確かめましょう。
信頼できる中古車販売店で、明確な説明と保証がある車両を選ぶことが重要です。
修復歴あり中古車はどんな人に向いている?
以下のようなケースでは、修復歴ありの中古車も有力な選択肢となります。
- 走行距離が短く、日常の近距離移動に使う
- 車に強い知識があり、修復内容を自分で把握できる
- 今後の買い替えや下取りを考えていない
価格重視で割り切って使う場合には、選択肢として検討する価値があります。
まとめ:納得して選ぶなら修復歴ありもアリ
修復歴車には明確なデメリットがある一方で、価格面の魅力も存在します。重要なのは、車の状態を正しく理解し、信頼できる販売店から購入することです。
中古車は一台一台状態が異なるため、情報をしっかり集め、納得したうえで選ぶことが後悔しない買い物につながります。
コメント