スズキの大型スポーツツアラーモデルとして注目を集める「GSX-S1000GX」と「GSX-S1000GT」。どちらも1000ccクラスで、快適性とスポーツ性能のバランスに優れたバイクですが、両車には明確な違いがあります。本記事では、それぞれの特徴や装備、乗り味の違いを比較しながら、購入の参考になる情報を詳しく解説します。
基本スペックとコンセプトの違い
GSX-S1000GTは、スズキが提案する「スポーツツアラー」の代表格として2022年に登場。スーパースポーツ譲りの走行性能に快適な長距離ツーリング性能を融合させたモデルです。
一方、GSX-S1000GXは2023年に発表された新コンセプトのアドベンチャーツアラー。車高が高く、電子制御サスペンションやライディングモードが充実しており、オンロードツーリング性能をベースにしつつ、荒れた道にも対応するマルチユースな設計が特徴です。
デザインとポジションの違い
GTは低く構えたフルカウルデザインで、スポーティでありながら洗練されたツアラーの雰囲気を持ちます。ライディングポジションもやや前傾気味で、高速道路での安定感に優れています。
GXは、アップハンドルと高めのシート高によるアップライトなポジション。大柄な外観とともに視認性や操作性の向上を実現しており、長距離・長時間のライディングに適しています。
足回りと電子制御の装備差
GXにはスズキ初採用となる電子制御サスペンション「S.DMS-α」や、IMU(慣性計測装置)を活用したトラクションコントロール、ABSなど多彩なライディングモードを搭載。
GTにも電子制御装備は備わっていますが、サスペンションは従来の調整式で、主に舗装路での快適性を重視した設定です。
価格とコストパフォーマンス
2024年時点のメーカー希望小売価格は、GSX-S1000GTが約160万円、GXは約180万円〜と、GXの方が高価格帯です。価格差は電子装備や足回りの高度化によるもので、装備重視の方にはGX、コストパフォーマンスを重視する方にはGTが適していると言えます。
リセールバリューの面では、GXが新モデルで希少性もあり、今後注目度が高まる可能性があります。
実際の使用シーンに応じた選び方
GTは舗装路でのツーリングやスポーティなライディングを楽しみたい方向け。タンデムや荷物搭載をしても安定した走行が可能で、高速巡航性能に優れています。
GXは林道に入るような本格オフ走行には向かないものの、段差や荒れた路面も苦にせず走れるため、悪路を含むルートやツーリングを楽しみたいライダーにおすすめです。
まとめ:GTとGX、どちらが自分に合っているかを見極めよう
GSX-S1000GTとGXは、同じ排気量・エンジンを持ちながらも、それぞれ異なる方向性と魅力を持つモデルです。
- GT:舗装路主体のロングツーリング向け
- GX:快適装備を備えたアドベンチャーツアラー
どちらが自分のライディングスタイルに合うのか、装備と価格を天秤にかけて選ぶのが満足度の高い購入につながります。ぜひ、試乗なども活用して実際のフィーリングを確かめてみてください。
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