オフロードバイクで林道を走る際、特に下り坂のコーナリングは技術と判断力が問われる場面です。スリップや転倒を防ぎつつ、安全に減速するためには、舗装道路とは異なるブレーキングやバイクの挙動を理解しておく必要があります。
基本の考え方:グリップの限界を意識する
未舗装の林道では舗装路に比べてグリップ力が極端に低く、急激な操作が命取りになることもあります。下りのコーナーでは「できる限り直線のうちに減速を完了させる」ことが基本です。
減速中にバイクを寝かせると、前輪が滑って転倒のリスクが高まるため、進入前にしっかり速度を落とすことが重要です。
オフロードにおけるブレーキの使い方
オフロード走行では、リアブレーキをメインに使い、フロントブレーキは滑らかに補助的に使うのがセオリーです。特に下り坂では前輪荷重が強まり、フロントブレーキに頼りすぎるとタイヤがロックしてスリップの原因になります。
ただし、リアブレーキの使いすぎでロックさせるとバイクの向きが不安定になるため、「じわっとかけて、必要に応じてフロントも追加する」というバランス感覚が大切です。
エンジンブレーキを効果的に使う
特に長い下り坂では、エンジンブレーキを活用することが非常に有効です。ギアを1段か2段落とし、自然な減速を促すことでブレーキへの負担を軽減できます。
ただし、急にギアを落とすと後輪が跳ねたり滑ったりすることがあるため、シフトダウンはタイミングとクラッチ操作に注意を払いましょう。
具体的な減速方法の使い分け
- ① エンジンブレーキのみ:グリップが非常に悪いとき、安全を優先して積極的に使用。
- ② 前後ブレーキを使う:グリップが比較的良い未舗装路(締まった砂利道など)で有効。フロントは慎重に。
- ③ リアブレーキのみ:滑りやすい斜面や泥道ではフロントを控え、リア中心でコントロール。
シチュエーション別のアドバイス
例①:締まった土の下り坂+ヘアピンカーブ
→コーナー手前でエンブレ+リアブレーキ。十分減速できたら軽くフロントブレーキを添える。
例②:ぬかるんだ急坂+滑りやすい路面
→ギアを1速まで落とし、エンジンブレーキとリアブレーキのみで慎重に下る。
装備とポジショニングの工夫
体重移動によってタイヤの荷重配分を調整するのも重要なテクニックです。下り坂では重心を後ろ気味にし、前輪が滑らないようコントロールしましょう。
また、林道ではABS付きのバイクでもオフロードモード(ABS解除可能)がある場合は、状況に応じて使い分けましょう。
まとめ
オフロード林道の下りコーナリングでは、「リアブレーキ中心+エンブレ補助」が基本です。グリップ状況によってフロントブレーキを慎重に使うことで、より確実な減速が可能になります。路面状況やバイクの挙動を正しく判断し、状況に応じたテクニックを身につけて、安全に楽しむことが最も大切です。
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