1980年代に登場したホンダVT250F(MC15)は、V型2気筒エンジンの軽快な走りと独自のスタイルで人気を集めました。今回はそのエキゾーストパイプ(通称:エキパイ)について、特に「触媒の有無」や「フルストレート化の可能性」について詳しく解説します。
VT250F(MC15)のエキパイには触媒があるのか?
結論から言えば、1987年式のVT250F(MC15)に標準で搭載されているエキパイには、現代の排ガス規制車両のような本格的な三元触媒(キャタライザー)は搭載されていません。当時の車両には排気ガス浄化装置が義務化されておらず、あったとしても簡易的な排気拡散構造やサブチャンバー程度です。
そのため、エキパイ部分に膨らみや異物があったとしても、それは単なる排気流速調整や音量低減を目的とした構造体である可能性が高いです。
フルストレート化は可能か?
エキパイの構造次第では「フルストレート化」は技術的には可能です。つまり、抵抗となる構造を取り外し、内径の広い直管パイプに交換することで排気効率を高めることができます。
ただし、このような改造には以下のようなリスクや注意点も伴います。
- 排気音の増大:直管化により騒音が増し、近隣住民とのトラブルの原因になる可能性があります。
- トルクの低下:抜けすぎによって中低速トルクが落ち、扱いづらくなることがあります。
- 法的リスク:車検非対応となり、公道走行が違法になることがあります。
実際のフルストレート化例とその効果
あるオーナーがMC15のマフラーをフルストレート構造にした例では、エンジンの吹け上がりは軽くなり、最高速がわずかに向上したと報告されています。
一方で、ノーマルと比較して発進時のトルク感が薄れ、渋滞時の扱いが難しくなるなどデメリットも生じたとのこと。見た目と音に魅力を感じていたが、結果的にバッフルを後付けする形で折り合いをつけたそうです。
合法的な範囲でチューンするためには
騒音基準を満たすサイレンサーやJASMA認定マフラーへの交換がオススメです。これなら公道走行も可能で、整備性や安全性も保てます。エキパイ交換と併せて、キャブセッティングや点火時期の調整を行えば、より効果的にパフォーマンスを引き出すことができます。
まとめ
VT250F(MC15)のエキパイには、現代のような触媒は基本的に搭載されていないため、フルストレート化は可能ですが、排気音・扱いやすさ・法規制への配慮が重要になります。ノウハウと知識を持ったうえで、バランスの取れたチューニングを心がけることが大切です。
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