レンタカーを利用する際に、返却時にガソリンを満タンにする「満タン返し」は多くの利用者にとって当たり前のルールとなっていますが、これは単なる慣習ではなく、契約上の義務です。この記事では、その法的根拠や実際の契約条項、満タン返しが求められる理由と対応策について詳しく解説します。
満タン返しは「契約書」に明記されている義務
大手レンタカー会社（例：トヨタレンタカー、日産レンタカーなど）の利用規約には、「返却時に燃料を満タンにして返却すること」が契約条件として明記されています。
例えば、トヨタレンタリースの「貸渡約款」では以下のような記載があります：
「乙（利用者）は、車両を借受けたときの燃料の状態に戻して返還するものとする。」
つまり、満タンで借りた車は満タンで返すことが契約内容となっており、これを守らなければ追加料金が発生する可能性があります。
なぜ満タン返しが求められるのか？その理由とは
レンタカー会社が満タン返しを求める理由は主に以下の2点です。
- 次の利用者への平等な状態提供：全ての顧客が同じ条件で車を受け取るため。
- 燃料費の透明性：利用者の運転距離や使い方に関係なく、公平な精算ができるようにするため。
また、返却時にガソリンが満タンでない場合、レンタカー会社は独自の単価でガソリン代を請求することがあり、これが市場価格より割高であることも珍しくありません。
契約条項はどこに書いてある？調べ方のポイント
契約書類や利用規約には、通常「貸渡約款」または「利用条件」などの項目があり、その中に燃料返却に関する条項があります。
例えば次のような文言です：
「貸渡車両を返還する際、貸渡時と同一の燃料量をもって返還しなければならない。」
このように、法律の何条に基づくというよりも、当事者間の契約約款に基づく取り決めであることが多い点に注意しましょう。
うっかり満タンにし忘れた場合の対応
もし返却時に満タンにし忘れた場合、慌てる必要はありません。大抵のレンタカー会社では、社内で給油して精算する対応が可能です。
ただし、社内給油の単価は通常のガソリンスタンドより高めに設定されており、費用が割増になる点に注意が必要です。
満タン返しの手間を省く「オプション」も存在
一部のレンタカー会社では、出発時に燃料代を前払いする「ガソリン前精算」オプションを提供しています。これを利用すれば、返却時にガソリンを入れずそのまま返却可能です。
旅行先や時間に余裕がない場合、このオプションを検討することで手間を省くことができます。
まとめ：満タン返しは契約義務。確認と対応が大切
レンタカーの満タン返しは、明確に契約条項として定められている義務です。これは法律上の条文というよりも、民間契約（貸渡約款）に基づく取り決めです。返却時のトラブルや無駄な出費を避けるためにも、契約時にしっかりと利用条件を確認し、計画的にガソリン補給を行いましょう。
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