クラシックな2ストロークスポーツバイク、YAMAHA RZ250 の電装トラブルとして「ブレーキレバー操作で左ウィンカーが点灯する」という現象が報告されています。この記事では、そのような症状が出た場合に疑うべき配線・スイッチ・リレー・グラウンド系の異常と、実際に配線入替を検討する際の安全な手順を整理します。
症状の整理:ブレーキ操作でウィンカーが点くという異常
まず、問題となっているのは「ブレーキレバーを握ると左ウィンカーが点灯する」という状況で、ウィンカースイッチ操作ではウィンカーランプが正常に動作するということです。
このような症状の場合、考えられるのは次のような状態です:
・ブレーキ信号回路がウィンカー回路に誤結線している/共有されている。
・ウィンカーリレーまたはブレーキスイッチの接点が誤動作を起こしている。
・グラウンド(アース)不良により回路が異常なルートで流れている。
・テールランプ・ウィンカー周辺のハーネス改造・劣化による配線ショートやクロストーク。
主なチェックポイント①:ブレーキスイッチ~ウィンカー回路の配線
まずは、ブレーキレバー操作時に作動する「ブレーキスイッチ」からウィンカー回路への関連をチェックします。
例えば、ブレーキランプ用スイッチの出力線がウィンカー側に誤配線されていたり、接触不良で信号がウィンカーリレーに入り込んでしまうと、「ブレーキを踏む=ウィンカー点滅」という異常が発生します。
実例として、あるオーナーが「テールランプ側ハーネスを交換した際、ブレーキ用青線と左ウィンカー用黄線が誤って入れ替わっており、ブレーキ操作=左ウィンカーという状態だった」という報告があります。
チェックポイント②:ウィンカーリレー/ウィンカー回路の確認
次に、ウィンカーリレー(点滅用リレー)およびそれに関連する配線を確認します。ウィンカーが通常通り左・右切り替えできるとのことですが、ブレーキ回路がこのリレーに信号を送ってしまっている可能性があります。
チェック項目としては:
・ウィンカーリレーの接点(+/-/左右出力)が正常か。
・リレーの入力側にブレーキ信号線が来ていないか。
・ウィンカー出力線(左側)に余分な配線・改造がないか。
例えば、リレー入力線がブレーキスイッチ出力と同じ端子に共用されていた改造車では、ブレーキを握ると「左ウィンカー用出力」が点灯していたというケースが報告されています。
チェックポイント③:グラウンド(アース)・ハーネス劣化・改造の有無
意外と見落とされるのが「アース不良」による回路誤動作です。車体の旧モデル(1980年代等)ではハーネスの劣化・割れ・接触不良が起こりやすく、複数回路がアースを共有していると、電流が誤ルートを通ることで意図しないランプが点くことがあります。
このような背景も踏まえて、次の作業も推奨されます:
・テールランプ下のハーネス点検(割れ・露出銅線・水分侵入)。
・交換履歴・改造履歴の有無を配線色・配線図と照らし合わせて確認。
・定格ヒューズ・リレー共用線が別用途に流用されていないか点検。
入替配線・改造を検討する際の安全手順と注意点
配線入替を自分で行う場合、次の手順を守ることで安全に作業できます。
- ① 電源遮断:バッテリーマイナス端子を外して作業を開始。
- ② 現状写真/配線記録:テールカウルを外し、配線色・カプラー形状・位置を撮影して記録。
- ③ 正しい配線図参照:純正配線図を入手し、ブレーキスイッチ→ブレーキランプ回路、ウィンカースイッチ→ウィンカーリレー→左右出力回路の流れを確認。
- ④ 修正/入替:誤配線が判明した場合、ギボシ端子・カプラー形状・配線色を純正仕様に戻す。切断・ハンダ・熱収縮チューブなどで確実に接続。
- ⑤ 動作確認:バッテリー接続後、ブレーキ操作・左右ウィンカー操作・ホーン/ライトなど総合点検。
ただし、配線が大きく改造されていたり、カプラーが変形・純正配線が消失していた場合、専門ショップへの依頼が安全です。
まとめ
YAMAHA RZ250で「ブレーキレバー操作で左ウィンカーが点灯する」という症状が出た場合、主な原因として「ブレーキスイッチ配線の誤配線」「ウィンカーリレーへの誤入力」「アース・ハーネス劣化・改造」の3つが挙げられます。配線入替を考える前に、電源遮断・配線記録・純正配線図照合など基本手順を守ることで、安全に作業を進められます。
もし配線が複雑に改造されていたり、作業に自信がない場合は、バイク専門の電装ショップに持ち込むことを強くおすすめします。安心してバイクライフを楽しむためにも、早めの点検・修理がカギです。


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