50cc横型中華エンジンを所有している方の中には、「CDIやコイルを交換しても火花が飛ばない」というトラブルに悩まされるケースがあります。点火系パーツをすべて新品にしても解決しない場合、意外な盲点が潜んでいる可能性も。この記事では、そうした原因を段階的に分析し、解決への糸口を探ります。
火花が飛ばない原因:部品以外に潜む落とし穴
CDI、イグニッションコイル、ジェネレーター、プラグ、そしてアース。これらを一通り交換しても火が飛ばない場合、まず疑うべきは配線の断線や接触不良です。特に中華エンジンの場合、純正のハーネス品質にばらつきがあり、経年劣化や初期不良で接点不良が発生することがあります。
また、配線の接続部にサビや腐食がある場合、導通があっても必要な電圧が伝わらず、点火まで至らないというケースも報告されています。
チェックすべき重要な配線ポイント
- CDIからピックアップコイルへの信号線(通常白/青線)
- CDIの電源線(多くは黒/赤線)
- イグニッションコイルへの出力線(通常黒/黄色線)
- メインスイッチからのカット信号線(例えば黒/白線)
特に最後の「カット信号線」がショートしていると、エンジンが始動できない状態になります。一度、メインハーネスからCDIへ接続されるカット線を外して試してみると、症状が変わる場合もあります。
実例紹介:原因が判明したケース
あるユーザーは、配線図と実車を照らし合わせながら通電チェックを実施。結果、CDIの出力側からコイルへのラインに内部断線がありました。被覆は綺麗なままでしたが、導通テスターで反応せず。配線を交換したことで無事点火が復活しました。
また別の事例では、メインキーのカット信号がCDI側で常時アースに落ちており、CDIの動作がブロックされていたというケースも。カット線を絶縁処理しただけでエンジン始動に成功したそうです。
その他の見落としがちな原因
・イグニッションコイルのアースがペイントされたフレームに取り付けられており、導通不足になっている。
・CDIがAC用とDC用で誤って取り付けられている(特に中華車は互換性がまちまち)。
・ジェネレーターの出力が微弱で、起動電圧に達していない。
・スターターリレーが電気を食いすぎていることで、CDIに十分な電圧が届いていない。
点火不良を見極めるためのチェックリスト
- CDIの種類はAC/DCどちらかを確認
- 各配線の導通をテスターで確認(通電チェック)
- カットスイッチ線を外して確認
- コイルのアースを別の場所に移動してみる
- エンジン単体でバッテリーと最小構成で点火テスト
シンプルな構成にすることで、本当に必要な機能だけで診断ができ、故障箇所の特定が早まります。
まとめ:点火不良の最終的な鍵は「配線と接点」
CDIやイグニッションコイルを交換しても火花が飛ばないとき、次に疑うべきは配線と接点不良です。特にカットスイッチ線や内部断線は目に見えないトラブルの元。導通チェックやテスト配線を使って、ひとつひとつ潰していくアプローチが有効です。
焦らず、基本から見直していけば、必ず原因は見えてきます。中華エンジンのトラブルと上手に向き合い、無事の始動を目指しましょう。


コメント