車庫証明の申請は、新車購入時や住所変更時などに必要になる手続きの一つですが、申請に関わる土地が亡くなった方の名義のままであるケースは珍しくありません。この記事では、相続登記が未了の土地で車庫証明を申請する場合、土地所有者・管理者欄の書き方や受理されるためのポイントを解説します。
車庫証明に必要な書類と「土地使用の承諾者」欄の意味
車庫証明を取得するには、「保管場所使用承諾証明書」もしくは「保管場所使用権原疎明書面(自認書)」が必要になります。土地や建物の所有者が第三者に場所を貸す場合、多くは使用承諾証明書が利用されます。
この書類の中にある「土地(または建物)所有者または管理者」の欄は、実際に使用・管理をしている人物の氏名を記載することが一般的です。ただし、名義上の所有者と記載者が異なる場合は補足資料を求められることがあります。
名義が亡くなった祖父のままの場合の注意点
土地の登記簿上の所有者がすでに故人となっている場合、本来であれば相続人が相続登記を行い、新たな所有者として登録を済ませることが望ましいとされています。
しかし現実には相続登記が済んでいないまま、子や孫が管理を引き継いでいるケースも少なくありません。こうした場合、車庫証明申請の際に、管理者として実際に土地を使用・管理している方の名前を記載することで、警察署によっては受理されるケースもあります。
管理者が孫でも受理される可能性は?
管理者欄に孫の名前を記載しても、実質的にその土地を管理している事実が明確であれば、受理されるケースも多いです。特に地方の警察署では柔軟な対応がされる場合があります。
ただし、警察署によっては登記簿や相続関係の書類、管理者としての権限を説明できる書面(例:遺産分割協議書の写し、他の相続人からの承諾書など)の提出を求められることもあるため、事前に管轄の警察署に相談するのが確実です。
受理されなかった場合の対処法
万が一、警察署で受理されなかった場合には、以下の対応を検討しましょう。
- 相続人代表(例えば親)からの承諾書を用意する
- 土地の使用承諾書に相続人の署名・捺印をもらう
- 必要に応じて「管理権限に関する委任状」などを添付する
また、将来的に土地を貸す・売る予定がある場合、早めに相続登記を済ませておくことが推奨されます。
実例:受理されたケースとされなかったケース
実際に、祖父名義の土地において孫が「管理者」として車庫証明の書類に記載し、問題なく受理されたというケースがあります。これは、地域の警察署が実態を重視し、実際に管理をしているという説明が通ったためです。
一方で、別の地域では登記簿と申請者の関係が明確でないことから、承諾書の再提出や、相続人からの追加資料を求められたという例もあります。
まとめ:受理の可否は実態と警察署次第、事前確認が最善策
土地の名義が故人のままでも、実際に管理している人物として孫が車庫証明の承諾欄に記載することは一定の条件下で可能です。ただし、警察署ごとに対応が異なるため、必ず事前に担当の警察署に問い合わせを行い、必要書類や説明方法を確認しましょう。円滑に手続きを進めるためにも、可能であれば簡易な相続関係説明資料を添えておくと安心です。
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