CB125K3のクランクケースカバーにある調整ボルトの正体とは?旧車メンテナンスで見落としがちなポイントを解説

車検、メンテナンス

旧車であるCB125K3のメンテナンスでは、現行モデルとは異なる設計や構造が多く、整備時に戸惑う場面が少なくありません。特にサービスマニュアルが手元にない、もしくは型式違いの資料しかない場合は、各部のボルトやカバーの役割に疑問を抱くことも多いでしょう。この記事では、CB125K3の左クランクケースカバーにあるゴムのグロメット内部に存在するボルトの機能について詳しく解説します。

グロメット内部のボルトの正体:ポイント点火タイミング調整用

CB125K3の左クランクケースカバーにあるゴムグロメットの中にあるボルトは、ポイント点火式の進角調整または点火時期調整の確認・調整用に使用されるものです。ゴム製のサービスキャップを外すと、フライホイール(またはジェネレーターのタイミングマーク)が現れ、ここでタイミングライトを当てて点火タイミングを確認するための構造になっています。

この構造は、CDI点火のバイクとは異なり、古いポイント点火式のエンジンに特有のメンテナンス機構です。フライホイール上のTマーク(Top dead center)やFマーク(点火時期)に合わせて、コンタクトブレーカーの開き具合を調整します。

なぜこの調整が必要なのか?

ポイント点火の車両は、点火時期の調整が非常に重要です。点火時期が早すぎればノッキングや始動不良、遅すぎればパワーダウンや過剰な燃費悪化に繋がるため、定期的なチェックと調整が推奨されます。

調整方法としては、サービスホールからマークを覗きながら、ブレーカー接点がFマークで開くようにポイントギャップを微調整していきます。このとき、フライホイールの回転方向を間違えないように注意が必要です。

調整作業の手順と必要な工具

具体的な作業手順は以下の通りです。

  • ゴムグロメットを外し、フライホイールの確認窓を開ける
  • プラグを外し、TマークおよびFマークの位置を確認
  • フライホイールを正回転方向に回して、Fマークでポイント接点が開くように調整
  • 必要に応じてポイントギャップをシクネスゲージで調整(0.3〜0.4mmが一般的)
  • タイミングライトがあれば、実際の走行回転域での確認も可能

使用する工具:ドライバー、シクネスゲージ、タイミングライト(任意)など。

トラブル防止のためのアドバイス

CB125K3のような旧車では、調整ネジやポイントユニットが摩耗・劣化していることがあります。以下のような点にも注意しましょう。

  • グロメットの劣化により防水性が低下している場合は交換を検討
  • ポイントの接点摩耗やバネの張力低下も要確認
  • フライホイールのマークの汚れで見えづらい場合は清掃

また、整備経験が少ない場合は、熟練者のアドバイスを受けながら作業するのがおすすめです。

サービスマニュアルがない場合の対応

型式違いのマニュアルでは細かな構造が異なる場合があるため、パーツリストやCB125K系統の共通情報を併用しながら整備を進めると良いでしょう。

一部のホンダ旧車は海外ユーザーによるPDFマニュアルがネットで共有されている場合もあるので、検索してみるのも一つの方法です。「CB125K3 service manual PDF」などで探してみましょう。

まとめ:旧車整備は構造理解と慎重な作業が鍵

CB125K3のクランクケースにあるグロメット内部のボルトは、点火タイミング調整やフライホイールマーク確認のための重要なポイントです。旧車であるがゆえに、メンテナンスには一つ一つ構造を理解しながら丁寧に作業する姿勢が大切です。

サービスマニュアルが手元にない場合でも、基本的なエンジン構造を理解し、信頼できる情報を元に進めることで、安全で快適なライディングを維持することができます。

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