中古車査定では、外装の修復歴や交換履歴が大きく評価に影響します。特にJAAI(日本自動車査定協会)が定める査定基準では「連続する複数パネルの交換跡」がある場合に、外板価値減点①として扱われ、査定額が大幅に下がるケースも。今回はこの項目が意味する内容や実例について詳しく解説します。
「連続する複数パネルの交換跡」とは
JAAIの査定基準でいう「連続する複数パネル」とは、隣接して取り付けられている外板パネル(例:フロントフェンダーとフロントドアなど)が複数枚交換または交換跡がある状態を指します。
これは事故修復などによって車の構造に影響が及んでいる可能性があると判断され、単一パネルの交換よりも大きな減点対象となります。
JAAIにおける「外板価値減点①」とは
外板価値減点①は、車両の外観や価値に関する評価項目です。
JAAI基準では、連続パネルの交換跡がある場合、車両全体の構造的信頼性や修復歴の重さを鑑みて、大幅な価値の下落と判断されます。
たとえば、「フロントフェンダー」「フロントドア」「リアドア」の3パネルが交換された車は、事故の衝撃が広範囲に及んだと見なされ、単なるドア1枚の交換車よりも査定は厳しくなります。
どのようなパネルが対象になるのか
- フロントフェンダー
- フロントドア
- リアドア
- クォーターパネル
- バックドア
これらが連続している、つまり隣接した位置で交換歴がある場合、該当します。たとえば「左側のフロントフェンダー+フロントドア」「左リアドア+クォーターパネル」などの組み合わせです。
どうして減点対象になるのか?
連続するパネルが交換されているということは、重大な事故や広範囲な損傷を受けた可能性が高く、車体の骨格や強度に影響していることが考えられるからです。
中古車としての信頼性や安全性が懸念されるため、査定額に反映される仕組みです。
実際の査定例
例①:右リアドア単独交換 → 外板価値減点②または③で済む可能性あり
例②:左フロントドア+左リアドア交換 → 外板価値減点①に該当、査定額が大幅に下がる
つまり、連続していることがマイナス評価につながるのです。
査定で注意したいポイント
車を売却する際には、自身でも交換歴や修復歴を事前に把握しておくと安心です。
ディーラーでの修理明細や見積書が残っている場合、それを用意しておくと査定士とのやりとりがスムーズになります。
また、査定前に簡単なチェックとして、「左右の隙間(チリ)が不均等」「塗装の色味がわずかに違う」「ボルトに工具の跡がある」などの痕跡も参考になります。
まとめ:連続パネル交換跡は査定に大きく影響する
「連続する複数パネルの交換跡」は、事故や損傷の広範囲性を示すため、JAAI査定では「外板価値減点①」として厳しく評価されます。
売却前にはどのパネルが交換されているかを把握し、信頼できる業者で査定を受けることが高額査定の第一歩です。
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