アルコール依存症を過去に抱えていた方にとって、運転免許の更新や取得時に求められる診断書提出は重要な手続きです。特に断酒を長年継続していても、法律や制度上の義務が残っているケースは少なくありません。本記事では、アルコール依存症と診断書の関係、診断を依頼できる医療機関、そして今後の対応について詳しく解説します。
なぜ診断書の提出が求められるのか？
道路交通法では、運転に支障をきたすおそれのある病気がある場合には、免許の取得や更新時にその旨を申告する義務があります。アルコール依存症もその対象の一つとされており、運転に影響を及ぼす可能性があると見なされるため、診断書の提出が求められるのです。
断酒を長期間続けていても、診断書でその状況を証明しない限り、免許センターは適性の確認ができないため、提出が求められ続けます。
診断書はどのような病院で取得できるか
診断書は必ずしも紹介された病院でなければいけないわけではありません。基本的には、精神科や心療内科でアルコール依存に対応している医師であれば診断書の作成は可能です。
ただし、内科ではアルコール依存症に関する専門的な診断経験が少ないケースが多いため、免許センターの求める形式や基準を満たした診断書を作成してもらえない可能性があります。なるべく精神保健指定医のいる医療機関を選ぶと安心です。
6年以上断酒していても不適格と判断される可能性はあるのか
基本的には、断酒期間が長期にわたり継続しており、通院歴や再発の兆候が見られない場合、運転適性に問題なしと判断されることが多いです。しかし、診断書作成時の面談や問診で医師がリスクありと判断した場合には、「条件付き適性」や「不適格」となる可能性もゼロではありません。
特に「断酒しているがサポート体制が不明瞭」「治療歴の証明ができない」といったケースでは、慎重な評価が行われます。過去の記録や通院歴がわかる資料を持参することが有効です。
診断書提出を怠るとどうなるのか
診断書提出を求められたにも関わらず、無視し続けた場合、運転免許の更新手続きが停止されたり、保留扱いとなる可能性があります。最悪の場合、免許の取消しや停止処分につながることもあるため、早めの対応が必要です。
また、免許センターから何度も通知が来ている場合、それが記録として残っている可能性があり、放置することで印象が悪くなる可能性もあるため、注意が必要です。
診断書取得までの具体的な流れ
- ① 精神科・心療内科に予約を入れる（紹介状がなくても可）
- ② 初診時に過去の依存歴・断酒期間・通院歴などを正直に伝える
- ③ 運転免許更新のための診断書が必要であることを明示
- ④ 医師の判断により診断書が発行される
- ⑤ 診断書を免許センターに提出する
診断書には書式や様式の指定がある場合もあるため、警察庁や各都道府県の免許センターのウェブサイトで事前に確認することをおすすめします。
まとめ：断酒を証明することが前向きな第一歩
長期間の断酒は非常に素晴らしい努力であり、それを診断書で証明することは、ご自身の回復を客観的に示す大切なステップです。紹介された病院以外でも診断書の取得は可能なので、通いやすい場所を選んで適切な診察を受けましょう。
免許更新の際にスムーズな手続きを行うためにも、早めの行動と準備が重要です。専門医の支援を受けながら、運転適性の確認を確実に済ませておくことが、安心して生活を続けるための鍵になります。
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