車検や点検でお預かりする車両の中には、整備とは関係のない“意外なもの”が残されていることがあります。車内の私物は個人の管理範囲ではあるものの、プロの整備士にとっては時に驚きや困惑を招く存在になることも。この記事では、現役整備士の実体験を交えながら、車内に置かれていた珍しい物やその対応について紹介します。
整備士が実際に出会った「忘れ物」エピソード
整備士に聞いたところ、ペットボトルやコンビニ袋、ベビー用品、洗濯物といった日常的な私物が車内に残されているのは珍しくありません。しかし中には、空の弁当箱や生ゴミ、さらには尿入りのペットボトルなど、衛生的に問題のある物が発見されるケースもあります。
ある整備士は「助手席の足元に透明な液体入りのボトルが転がっていて、触るのもためらった」と振り返ります。持ち主の事情があるにせよ、整備士が取り扱うには適さない内容物です。
整備士としての対応:どうするのが正解か
車検や点検時、整備士が中をチェックするのは機械的な作業が中心ですが、安全確認のためシートの下や足元を見る必要がある場面もあります。異物があった場合、基本的にはお客様に確認を取ることが原則です。
たとえば、「異物が車内に残っておりましたが、処分いたしましょうか?」と電話や来店時に確認を行い、お客様の指示に従って対応します。
衛生面と作業環境の問題
尿入りペットボトルのようなケースは、明らかに衛生管理上のリスクを伴います。こうした車両の対応には、使い捨て手袋の着用、必要であれば換気や簡易清掃を行うことも。整備工場によっては車両の引き受けを拒否することもあるため、事前の配慮が望まれます。
一部の整備士は「自分の車に置きたくない物を預ける車に置かないでほしい」と語っており、プロとしての作業環境を守るためにも、持ち主のマナーが問われます。
車検に出す前のチェックリスト
- 貴重品・個人情報の書類を車から降ろす
- ゴミ類や飲食物は処分しておく
- トランク内の荷物も軽く整理する
- 「ちょっと恥ずかしいかも」と思う物は持ち帰る
こうした基本的な配慮だけで、整備士との信頼関係がグッと良くなります。
もしも恥ずかしい物が見つかったら?
実際にうっかりしてしまっても大丈夫。整備士は基本的にプロとして対応してくれます。とはいえ、変に取り繕ったり嘘をつくよりは、「すみません、忘れてました」と正直に伝える方がスムーズです。
その場限りのことなので、あまり気にしすぎないことも大切です。
まとめ:マナーと信頼が快適な整備の鍵
自動車整備士は預かった車を大切に扱いますが、持ち主としてもある程度のマナーを守ることが求められます。車内に異物やゴミを残さないように心がけることで、整備士も気持ちよく作業ができ、お互いの信頼関係を築くことに繋がります。
次回、車検や点検に出す際には、車内の“整理整頓”も忘れずに。快適なカーライフのために、ちょっとした心配りが大きな差を生みます。
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