AE86のレトロフィット後に冷風が出ない?エアコンガス過充填による故障原因と対処法を解説

車検、メンテナンス

旧車ファンの中でも特に人気の高いAE86。多くのオーナーがR12冷媒からR134aへのレトロフィットを行い、エアコンを現代仕様にアップデートしています。しかし、レトロフィット後のガス充填量を誤ると故障の原因になることも。この記事では、冷風が出ない、ハンチングが起きるといった症状の原因と、R134aガス過充填によるトラブル、修理方法について詳しく解説します。

AE86のエアコンにR134aを使う際の注意点

AE86の純正エアコンはR12冷媒を使用していますが、環境規制により現在ではR134aにレトロフィットするのが一般的です。ただし、R12とR134aは冷媒特性が異なり、同じ量を充填してしまうと圧力が上がりすぎて不具合の原因になります

R12使用時の規定量は約800g程度ですが、R134a使用時はその約80%前後(640g程度)が目安です。これを超えて充填すると、圧力過多でコンプレッサーや配管に負担がかかります。

エアコン作動時にハンチングが起こる原因とは?

エアコンをONにした途端にアイドリングが不安定(ハンチング)になる場合、コンプレッサーに過負荷がかかっていることが疑われます。これはガスの充填量が多すぎて、コンプレッサーの負荷がアイドル制御に影響を与えているからです。

特にAE86のような古い車両はアイドルアップ機構も経年劣化しており、負荷の増減に敏感に反応してしまう傾向があります。

冷風が出なくなった原因を探る手順

エアコンから冷風が出ない場合、以下の原因が考えられます。

  • ガス過充填によるコンプレッサー保護作動または故障
  • 高圧側センサー作動によるACカット
  • レシーバータンクやエキスパンションバルブの目詰まり

ガス量を点検し、適正圧力に調整することが第一ステップです。R134aの場合、低圧側で約2.0〜2.5kg/cm²、高圧側で14〜18kg/cm²程度が目安になります。

対処方法:ガスの抜き取りと再充填

まずはエアコンガスを全量抜き取り、真空引きしてから正確に規定量を再充填します。過充填による不具合であれば、これだけで正常に戻るケースも多いです。

それでも症状が改善しない場合は、コンプレッサーのオーバーロードによる内部破損や焼き付きの可能性があります。その場合はオーバーホールまたはリビルト品への交換が必要です。

補足:R134a対応への部品交換と注意点

R12システムをR134aに変更する場合は、以下の部品を交換・対策するのが推奨されています。

  • R134a対応Oリング・ホース(非透過性)
  • エキスパンションバルブ
  • レシーバータンク
  • POEまたはPAGオイル対応のコンプレッサー

これらを交換せずに冷媒だけを変更した場合、目詰まりや潤滑不良などのリスクが高まります。

実例:AE86での修理ケース

あるAE86オーナーは、R12相当量のR134aをそのまま注入して使用開始。1年後に冷えが悪くなり、翌年にはコンプレッサー焼き付きと判明。リビルトコンプレッサーへの交換と、ガスの適正量充填で復旧しました。

このケースではエキスパンションバルブも交換され、結果的に冷却性能も改善されました。

まとめ:AE86のエアコンはガス量と対応部品に要注意

AE86にR134aを使う場合、R12と同量を入れるのはNG。適正量の把握とレトロフィット対応部品の使用がエアコンシステムを長持ちさせる鍵です。冷風が出ない、ハンチングするなどの症状が出たら、まずは過充填を疑って点検を行いましょう。

長くAE86を楽しむためにも、定期的な整備と正しい知識が重要です。

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