200系クラウンをチューニングする際、「触スト」化=触媒ストレート化を検討する方も多いですが、その過程で気をつけたいのがO2センサーの動作不良やエンジン制御への悪影響です。本記事では、純正触媒の中抜きによるリスクと、合法的かつ安全なチューニングの選択肢について詳しく解説します。
触媒の役割とO2センサーの関係
排ガス中の有害物質を浄化する三元触媒は、エンジン制御の一部として非常に重要な役割を担っています。O2センサー(酸素センサー)は、この触媒の前後に取り付けられ、排ガス中の酸素濃度を検知して燃料噴射量の調整に寄与します。
このため、触媒を中抜きすると、O2センサーが想定外の排気成分を検知し、「異常」と判定。エンジン警告灯(チェックランプ)が点灯し、エンジンがセーフモードに入る=出力制限がかかる可能性が高くなります。
200系クラウンで実際に起きるトラブル例
実際のユーザー報告でも「触媒を中抜きにした結果、加速しない」「燃費が悪化した」「走行中にガクガクする」といった不具合が発生した例が散見されます。これはまさにO2センサーが異常値を検知し、ECUがエンジン保護のために燃調や点火制御を変更するためです。
特に200系クラウンのように高性能なエンジン制御が行われている車種では、排気システムの変化が即座に影響を及ぼします。
純正触媒の中抜きが引き起こすその他のリスク
- 車検非対応:車検では排ガス検査があります。触媒が機能していないと確実に不合格になります。
- 道路運送車両法違反:排ガス規制違反として整備不良車扱いとなり、摘発対象になります。
- 下取り・売却時の価値低下:触媒の有無は査定にも大きく影響します。
触スト仕様にする場合の合法的な代替案
どうしても触ストのような抜け感や排気音を得たい場合は、スポーツキャタライザー(スポーツ触媒)の装着を検討しましょう。HKS、JIC、フジツボなどの信頼性あるメーカーから、車検対応の高流量キャタライザーが販売されています。
また、O2センサーエミュレーターを装着してエラー信号を回避する方法もありますが、こちらも完全な合法とは言えず、自己責任での運用が前提です。
ECUセッティングとアフター対応の重要性
触媒周辺を変更した場合、ECUの再セッティングはほぼ必須です。空燃比が大きく変わるため、燃調のズレによるノッキングや出力ダウン、燃費悪化を防ぐには、ダイナパック等での現車セッティングが最も安全かつ効果的です。
これによりO2センサーの動作範囲を調整したり、補正マージンを再構成することも可能になります。
まとめ:200系クラウンでの触媒中抜きは高リスク
200系クラウンの純正触媒を中抜きすることで、O2センサーが正常に作動しなくなり、エンジン出力制限や警告灯点灯といったトラブルが生じる可能性が高いです。また、違法改造となるリスクや車検非対応も避けられません。
そのため、触スト仕様を求める場合は、スポーツキャタライザーの導入やプロショップでの合法的なチューニングを選択するのが最適です。
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