ツーリングで仲間にリッターSS(スーパースポーツ)がいると、ついていけるか不安になることもあります。特に高速巡航やワインディングの登り区間では馬力差が露骨に出ることも。しかし、401〜750ccクラスにも“本気を出していない”リッターSSに充分ついていけるバイクは多数存在します。今回は、ミドルクラスでありながら優れたパフォーマンスとツーリング適性を兼ね備えたモデルを紹介します。
リッターSSが「本気を出していない」前提とは?
まず前提として、リッターSSの“本気”とは、サーキットレベルの加速や旋回性能を引き出している状態です。公道では安全上その性能を100%発揮することはほぼありません。したがって、ツーリングでの走行はおおよそ中〜高速巡航とワインディングでのリズム走行となります。
この条件下なら、パワーウェイトレシオ・足回り・エンジン特性に優れた中排気量モデルでも十分に対応可能です。
CB650R / CBR650R(Honda)
最大出力:95PS / 車重:約205kg
高回転までスムーズに吹け上がる並列4気筒エンジンは、600ccクラスとは思えない余裕のあるパワーを発揮。CBR650Rはフルカウル仕様で高速域の快適性も高く、ツーリングにも向きます。
ワインディングでもリッターSSの中速ペースには十分ついていける実力があります。
YZF-R7(Yamaha)
最大出力:73PS / 車重:約188kg
軽量・コンパクトなシャシーと、MT-07譲りのトルクフルな並列2気筒エンジンにより、特に中速域での力強さが光ります。
ワインディングでは軽さが武器となり、リッターSSより先にコーナーを抜けることも珍しくありません。直線は離されても、登りやタイトコーナーでは張り合えます。
KTM 790 Duke
最大出力:105PS / 車重:約174kg
通称“スカルペル”の異名を持つKTMの790 Dukeは、シャープなハンドリングと爆発的なトルクが特徴。加速性能と旋回性に優れており、スーパースポーツ顔負けの走りが可能です。
ストリートファイターの中でもリッタークラスと互角の戦闘力を持ち、ツーリング中の軽いスポーツ走行では侮れない存在です。
スズキ GSX-S750
最大出力:114PS / 車重:約213kg
GSX-R750ベースのエンジンを搭載したネイキッドモデルで、パワーはミドルとは思えないほど豊か。電子制御も充実しており、ツーリングからスポーツ走行まで幅広く対応可能です。
高速道路での合流・追い越し・登り坂なども余裕があり、リッターSSのツーリングペースに食らいつけます。
Aprilia RS 660
最大出力:100PS / 車重:約183kg
高次元の電子制御と軽量な車体により、サーキットユースも視野に入れた次世代ミドルSS。エンジンは並列2気筒ながら、リニアで粘り強い出力特性を持ちます。
電子制御(IMU含む)やクイックシフターにより、余裕を持った速さを発揮。リッターSSが流す程度のツーリングでは、むしろ快適かつ速く走れる可能性も。
まとめ:ツーリングで“ついていける”には速さ+快適性も大事
401〜750ccのバイクでも、最新の電子制御や高効率なエンジンを備えたモデルであれば、ツーリング中のリッターSSに十分についていくことは可能です。ただ速いだけでなく、長距離の疲労軽減や積載性も含めて“本気を出していないSS”に遅れないことが目的なら、今回紹介した車種はいずれも現実的な選択肢です。
排気量にこだわらず、バイク全体のトータルバランスで選ぶことが、満足のいくツーリング体験への第一歩となるでしょう。
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