カーナビやディスプレイオーディオを車体から外さずに動作確認したい技術者やDIYユーザー向けに、テストベッド化のためのインパネ信号について必要な情報をまとめました。
🟦主要信号の種類と電気的特性
動作制限や起動トリガーになる主な信号は以下の通りです。電気特性も併せて解説します。
- パーキングブレーキ検出信号:多くはリレー接点(車載スイッチ⇄GND)。オンはGND、オフは開放。
- バックギア検出信号:こちらもリレー接点または12V出力。リバースに連動して接点が閉じ、GND or 12V出力。
- ライト点灯検出・調光信号:12V常時/抵抗調整式の可変電圧(約0~12V)やPWMパルス。
- ACC(アクセサリー)信号:リレーON/OFFで12V供給。車両キーACCに連動して12V出力されます。
電圧と信号形式の違い
これらの信号配線には複数の方式があります。
- リレー接点信号:端子⇄GNDがオンオフする単純構成。
- TTL・ロジック電圧信号:5Vまたは3.3Vの制御線。機器によって異なるので要確認。
- 12V直出力:ライトやACC信号に多い。
- 可変電圧信号(抵抗付き):照度検出に使われ、0~12V間で連続出力。
- CAN/LIN通信信号:最新車種では電気配線ではなくバス信号でやり取りされることも。
テストベッド構成の具体例
以下の回路で代用品を自作できます。
- 12V ACアダプタ+キー連動スイッチ=ACC模擬
- プッシュスイッチ+GND=パーキング/バック信号
- PWM発生回路+可変抵抗=バックライト調光
スピーカー4台を備える構成なら、実車に近い動作確認が可能です。
CAN/LIN信号への対応も検討
最近の車種ではライトやギア検出がCANバス経由の場合があります。この場合はCAN/LINトランシーバとモジュールでメッセージ送出が必要です。
実例:ACC+パーキング信号でナビ起動検証
12V ACCをONにし、パーキング信号をGNDに落とすことでナビの起動と視聴制限解除を同時確認できます。
またバックギアスイッチをONすると、自動でリアカメラ映像に切り替わるかもチェック可能です。
まとめ:テストベッド成功のために重要なポイント
信号の種類は大きく分けてリレー接点、12V供給、可変電圧、TTL/CANと多岐に渡ります。
実車に近い形で再現するには、複数の信号を組み合わせ、必要に応じてCANメッセージ送出も検討するのが望ましいです。
これらを踏まえて信号可変スイッチ付テストベッドを自作すれば、自走無しで十分なナビ搭載確認が可能になります。
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