1980年代、日本のスポーツカーシーンに彗星のごとく現れた「スカイラインRS」。その心臓部には、名機と称される直列4気筒DOHCエンジン「FJ20E」が搭載され、多くのクルマ好きを熱狂させました。現代では“漢の車”と語られるこのモデルの本当の魅力とは何なのか。今一度、あの時代の輝きを振り返ってみましょう。
FJ20Eとは?名機と呼ばれるエンジンの真価
FJ20Eは1981年に登場した2.0L直列4気筒DOHCエンジンで、電子燃料噴射(EGI)システムを採用した高性能ユニットです。最大出力は150PS(NA仕様)を発揮し、後に登場したターボ仕様(FJ20ET)では190PSにも達しました。
当時の日本車としては非常に高いスペックであり、同時期のライバル車と比べても際立った存在でした。レーシングエンジンのような高回転特性と、NAならではのレスポンスは、今なお多くのドライバーを魅了しています。
スカイラインRSのデザインと存在感
「赤バッジ」としても知られるスカイラインRS(R30型)は、精悍なフロントフェイスと直線基調のボディラインが特徴的で、当時の“硬派”なクルマの代表格です。
特に、通称「鉄仮面」と呼ばれた後期型ではフロントマスクがシャープに刷新され、視覚的にもパフォーマンス志向の強さが伝わるデザインになりました。ドライバーズカーとしての完成度も高く、乗る者に強い個性を与えてくれる車でした。
走りと操縦性:ドライバーに挑む車
FJ20E搭載のスカイラインRSは、当時としては異例のフロントエンジン・リアドライブ(FR)を貫き、正確で気持ちのよいハンドリングが評価されました。足回りはやや硬めに設定され、まさに“操る楽しさ”を感じさせる仕様です。
例えるなら「現代のスポーツカーとは違い、乗り手を選ぶ車」。しかし、その分ドライバーと一体になったときの爽快感は、現代の電子制御車にはない魅力です。
“漢の車”と呼ばれる理由とは?
スカイラインRSが“漢の車”と語られるのは、そのスペックや走りだけではありません。荒削りな部分や、整備や維持に手がかかる点すらも、車との付き合い方に男らしさを感じさせるのです。
当時のユーザーたちは、乗り心地よりも走行性能を重視し、燃費や快適性を犠牲にしてでも「走る歓び」に重きを置いていました。その姿勢こそが“漢の車”という言葉にふさわしいのかもしれません。
FJ20E搭載車の現在の価値と人気
現在、中古車市場ではスカイラインRSの人気が再燃しており、FJ20E搭載車両は状態の良い個体で300万円以上になることもあります。年々希少価値が高まり、コレクターズアイテムとしても注目されています。
特に走行距離の少ない個体や、純正コンディションを保った車は非常に高値で取引されており、愛好家の間では“永遠の名車”として語り継がれています。
まとめ:FJ20E搭載スカイラインRSは「漢の車」そのもの
FJ20Eを搭載したスカイラインRSは、スペック、デザイン、走行性能すべてにおいて熱い魂を宿した一台でした。今なお語られる理由は、その“熱さ”と“個性”にあります。
最新技術の車にはない、人と車との深い関係性を味わえるスカイラインRS。まさに“漢の車”という言葉がふさわしい存在と言えるでしょう。
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