長年乗ってきた車を手放すとき、ただの機械以上の“家族の一員”のような存在として、感情的な別れのつらさを感じる方も多いものです。特に家族との思い出が詰まった車であればあるほど、「処分するか残すか」は大きな決断になります。この記事では、車を置いておくべきか廃車にすべきか、感情と現実のバランスから冷静に考えるヒントを紹介します。
思い出の詰まった車とどう向き合うか
17年間乗り続けた車には、家族との思い出や日常の風景がたくさん詰まっています。お子さんの成長を見守ってきた存在として、感情的に手放しづらいのは当然のことです。
特に子どもにとっては、“モノ”以上の意味を持つ存在であり、別れが「大切な何かを失う」ことに感じられることもあります。
置いておくことで発生する現実的なコスト
感情的な面とは別に、維持するための費用や手間も考慮する必要があります。
- 自動車税(軽自動車でも年額10,800円程度)
- 車検費用(2年ごとに約6〜10万円)
- 任意保険(使用しなくても盗難・火災補償をかけるなら必要)
- 保管場所の管理(タイヤ空気圧・バッテリー・腐食対策など)
長期間動かさない車は劣化が早まるため、たまにエンジンをかけたり軽く走行するなどのメンテナンスも必要になります。
「いつか乗る」は実現する?冷静に考えるポイント
「将来、娘が免許を取ったら乗る」といった希望は素敵ですが、現実には実現が難しいケースが多いのも事実です。
たとえば、お子さんが免許を取る頃には車は20年以上経過しており、安全性能や故障リスクの観点から現代の車両と比べて不利になります。また、実際に修理・再登録・車検の費用を考えると、現実的には新しい車を選ぶ方が合理的です。
思い出を残すための“別の形”も検討しよう
「廃車=思い出を捨てる」ではありません。感情を大切にしつつ、別の形で記憶に残す方法もあります。
- パーツをインテリアにする:エンブレム、シフトノブ、ナンバープレートを飾る
- フォトブックやアルバムを作る:家族旅行や通学の風景を写真でまとめる
- 記念ムービーを撮る:最後の洗車や別れの日を記録しておく
こうした工夫で、家族の心の中に車の存在を残しつつ、現実的な選択として廃車を選ぶことも納得しやすくなります。
家族全員で話し合うことの大切さ
感情と合理性がぶつかるときこそ、家族全員で思い出や気持ちを共有する時間が大切です。
お子さんの気持ちを否定することなく、「気持ちは分かるけれど、長く置いておくのは大変なんだよ」という説明を丁寧に行い、“大事な思い出を大切にしながら前に進む方法”を一緒に考えるのがベストです。
まとめ
長年連れ添った車との別れは感情的な決断になりがちですが、維持費や安全面、将来的な実用性を冷静に考えることも重要です。「置いておく」か「手放す」かだけでなく、思い出を形に残す別の方法を検討することで、家族全員が納得できる答えが見つかるかもしれません。大切なのは、その車が家族にとってどれだけ意味ある存在だったかを忘れないことです。
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