バイクのカスタムに関心のあるライダーの中には、タンデムステップを取り外して一人乗り仕様に構造変更する方もいます。しかし、後の売却時にそのカスタムが査定にどのような影響を及ぼすかを気にする声も多く聞かれます。本記事では、一人乗りへの構造変更と査定額の関係、そして価値を損なわないためのポイントを詳しく解説します。
タンデムステップの役割と構造変更の意味
タンデムステップは二人乗り(タンデム)時に同乗者の足を支える重要なパーツです。これを外し、構造変更を行えば車検証上の乗車定員が「2名」から「1名」になります。構造変更には陸運局での手続きと、新たな車検証の発行が伴います。
この変更は合法であり、保険内容や税金にも若干の影響を及ぼしますが、最大の影響は「再販時の価値」です。
査定額に与える影響とは?
査定においては、以下の3つの視点から評価が行われます。
- 市場性:二人乗りが可能な方が需要が高い。
- 構造の原状復帰性:元に戻せるかどうか。
- 車検証上の記載内容:構造変更済か否か。
特に「一人乗り構造変更済」の車両は、再びタンデム仕様に戻すには再度の構造変更手続きが必要になるため、一般的なユーザーには敬遠されやすくなり、査定額が下がる可能性があります。
タンデムステップを保管しておく意味
タンデムステップを保管しておくことは有効です。ただし、「構造変更していない状態で、ステップだけを外していた」なら、査定前に元に戻すだけで済み、評価に影響しにくいです。
しかし構造変更を正式に行っていた場合、元に戻すには再度構造変更が必要なため、手間と費用がかかります。そのため、仮にステップが手元にあっても、それだけでは評価が戻らないケースがあります。
実例:中古車市場での評価傾向
中古車情報サイトなどで「構造変更車」「1人乗り仕様」などのワードがあるバイクは、掲載期間が長い傾向にあります。業者側も再販に難があると判断し、買取額を抑えがちです。
一方で、カスタムショップなどでは「希少性」として評価されることもあり、販売ターゲットによって印象は異なります。ただし、一般的にはノーマル状態に近い方が評価は安定します。
どうすれば査定額への影響を最小限に抑えられるか
- 構造変更をせず、あくまでステップを一時的に取り外すにとどめる
- ステップを確実に保管し、必要に応じて復元できるようにしておく
- 売却前には元の状態に戻してから査定に出す
- 購入先がバイク専門業者やカスタムに理解のある店舗かを見極める
これらを意識すれば、カスタムと再販価値のバランスを両立させることができます。
まとめ:構造変更は慎重に、元に戻せる状態が理想
タンデムステップの取り外しと一人乗り構造変更は、ライダーのスタイルに合わせた魅力ある選択肢です。しかし売却時のことを考慮するならば、「構造変更までは行わず、ステップの脱着にとどめる」のが査定面では最も安全です。
どうしても構造変更を行いたい場合は、記録として写真や部品の保管証明を残し、将来的に戻せる準備を整えておくと安心です。
コメント