近年、自動車の購入方法として注目されている「残価設定クレジット（残クレ）」。特に人気車種であるトヨタのアルファードは、残クレを活用して“利益が出る”という話も聞かれます。3年ごとに新車に乗り換えて、毎回お金が返ってくるという仕組みは一見不思議に思えますが、実は「リセールバリュー」を活用した合理的な戦略があるのです。
残クレの仕組みをおさらい
残価設定クレジットとは、車両価格の一部（残価）をあらかじめ「将来の下取り価格」として据え置き、それ以外の金額を分割で支払う購入方法です。たとえば。
・車両価格：600万円
・残価設定：300万円（3年後）
・頭金：0円
・支払い対象：600万円−300万円＝300万円（＋利息）
契約満了時には、（1）車を返却して新車に乗り換える、（2）残価を支払って買い取る、（3）車を返却して終了の選択肢があります。
なぜアルファードで“儲かる”のか
アルファードは国内外で人気が高く、特に輸出需要が安定しているため中古市場での価格が非常に高いです。そのため、設定された残価以上の買取価格でディーラーや業者に売却できるケースがあります。
例えば。
- 3年後の残価設定：300万円
- 実際の買取相場：400万円
この差額100万円が「儲かった」と言われる理由です。車両を返却ではなく買取業者へ売却することで、利益分を受け取る形となります。
実際のシミュレーション
ケース1：アルファード600万円を残クレで購入。残価設定300万円。3年間の支払総額が320万円（利息込）だったとします。
3年後に下取り価格が400万円で売却できれば、400万円−残価300万円＝100万円が手元に残ります。このとき、「支払った320万円−100万円＝実質220万円で3年間乗った」という計算が可能です。
月額換算では約6.1万円でアルファードに乗れたことになり、普通に購入・売却するよりも割安に感じられる可能性があります。
注意点とリスク
残クレで儲かるかどうかは、以下のような要素に左右されます。
- 市場のリセールバリュー（需要と供給）
- 事故や傷などの車両状態
- 走行距離やカスタム状況
- 返却条件や中途解約の規定
人気車種でも、タイミングや相場次第で残価を下回る可能性もあります。また、残価設定が高すぎると、最終的に買い取りが難しくなる場合もあります。
リセールを活かした戦略的な買い方
残クレは「節約」ではなく「資産価値を活かしたマネープラン」です。人気車種を短期間で乗り換えながら、高く売却して次の購入資金に回すという“戦略的カーライフ”が可能です。
ただし、正確なシミュレーションや残価設定の内容を確認しないと逆に損をする場合もあるため、ディーラーやファイナンシャルプランナーに相談して慎重に進めるのがおすすめです。
まとめ
アルファードのような高リセール車種では、残クレを活用した3年ごとの乗り換え戦略により、実質的に数十万円〜100万円の差益が出るケースもあります。ただしこれは市場動向や車の状態に大きく左右されるため、必ず儲かるという保証はありません。仕組みを理解した上で、自分に合った買い方を選ぶことが重要です。
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