車検を終えたばかりなのに、突然ステアリングスイッチが反応しなくなった…という経験は、車の電子装備が増えている今、意外と珍しくありません。今回は、車検後に発生しがちなこのような不具合の原因や対処法について詳しく解説します。
ステアリングスイッチの基本構造と役割
ステアリングスイッチは、運転中に手を離さずにオーディオやクルーズコントロールなどの操作ができる便利な装備です。これらの信号は、スパイラルケーブル(クロックスプリング)と呼ばれる部品を通じてステアリングコラム内の配線を介し、車両の各制御ユニットに伝達されます。
このスパイラルケーブルが断線、劣化、または接続不良を起こすと、ステアリングスイッチが効かなくなる原因になります。
車検作業で不具合が起きる可能性
基本的に車検では、ステアリングまわりの部品を外す作業は少ないですが、何らかの点検や整備(たとえばハンドルの遊び点検やエアバッグ関連点検など)でステアリングを取り外した場合、誤ってスパイラルケーブルを損傷させてしまう可能性はゼロではありません。
特に、ハンドルを取り外した状態でステアリングシャフトを不用意に回転させると、内部のケーブルがねじれて断線する恐れがあります。
経年劣化の可能性との見分け方
ディーラーなどが「経年劣化」と判断するのは、スパイラルケーブルが年数や使用により自然に断線するケースが存在するからです。10年近く使用している車では、振動や気温差による内部摩耗で突然断線することがあります。
一方、車検の数日後に突然症状が現れるというタイミングが重なると、ユーザー側としては「整備ミスでは?」と疑ってしまうのも自然な反応です。
対処法と相談のポイント
まずは、ディーラーに症状とタイミングを丁寧に説明し、「車検前は正常だった」という事実を伝えた上で点検記録や整備履歴を確認してもらいましょう。可能であれば、車検時にステアリング付近の作業があったかどうかを確認することも重要です。
仮に作業ミスの可能性があるとディーラー側が判断した場合は、無償で修理や部品交換が行われるケースもあります。納得できない場合は、第三者機関(JAFや自動車整備振興会など)に相談してみるのも一つの方法です。
実例:ユーザー報告から学ぶ
あるユーザーは、車検後すぐにステアリングオーディオスイッチが反応しなくなり、ディーラーに相談。結果としてスパイラルケーブルの断線が判明し、車検時に関連部品の点検があったことから、無償修理が行われました。
このように、早期に相談し適切な対応を求めることが重要です。
まとめ
ステアリングスイッチの突然の不具合は、経年劣化だけでなく、車検整備時の取り扱いによって発生することもありえます。疑問がある場合は、事実と経緯を整理し、遠慮せずディーラーに確認しましょう。正確な知識と冷静な対応が、納得できる結果につながります。
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