日本の高級車史を語るうえで欠かせない存在、それがトヨタ「セルシオ」と日産「プレジデント」です。特に3代目セルシオ(UCF30型)と4代目プレジデント(PGF50型)は、2000年代前半における国産フラッグシップセダンの頂点とも言えるモデルでした。この記事では、この2台を自家用車として選ぶ際のポイントを、それぞれの魅力や特徴を交えて解説します。
3代目セルシオ(UCF30型)の特徴と魅力
2000年に登場した3代目セルシオは、エンジン性能・快適性・静粛性のすべてにおいて非常に高い完成度を誇ります。搭載される4.3L V8エンジンは最高出力280馬力を発揮し、国産車トップクラスの滑らかさとパワーを実現。
魅力的なポイント:
- 高い信頼性と耐久性で、中古でも安心して所有可能
- エアサス搭載で圧倒的な乗り心地
- レクサスLSへとつながるブランドの礎
自家用としての使用なら、維持費のバランスと日常使いの快適性で優れた選択肢です。
4代目プレジデント(PGF50型)の特徴と魅力
2003年に発売された4代目プレジデントは、日産が官公庁やVIP送迎を意識して開発した最上級サルーン。5リッターV8エンジン(VK50DE)を搭載し、トルク重視のゆったりとした走りが特徴です。
魅力的なポイント:
- リア重視の設計で、後席の快適性は群を抜く
- 希少性が高く、所有すること自体にプレミア感
- ウッドと本革を多用した重厚なインテリア
「運転する車」ではなく「乗せられる車」としての思想が色濃いため、自分で運転する用途にはややミスマッチな一面もあります。
日常利用と維持面を比較
燃費と維持費:どちらも大型セダンであるため、燃費は街乗りで6〜8km/L前後と同程度。セルシオの方が部品供給が安定しており、整備対応しやすい点が有利です。
使い勝手:セルシオはハンドリングが軽快で狭い道でも扱いやすく、自家用車としての汎用性が高いです。プレジデントはサイズ・重量ともに大きく、運転慣れが必要。
それぞれの車が似合うユーザー像
- セルシオが向いている人:信頼性重視で長く乗りたい、運転する楽しさも重視する、コストも意識したい
- プレジデントが向いている人:希少性や威厳を重視、後席に人を乗せる機会が多い、唯一無二の存在感を求める
実際に街乗りや日常使用を前提にするなら、セルシオの方が「ちょうどいい高級感と実用性」を兼ね備えています。
まとめ
3代目セルシオと4代目プレジデントは、それぞれ異なるベクトルで完成された国産高級セダンです。運転主体で使いたいならセルシオ、後席の快適性や希少性を重視するならプレジデントが向いていると言えるでしょう。
最終的には、どちらの世界観に魅力を感じるかが選択のカギです。中古市場でも価格が落ち着いている今こそ、じっくり試乗して納得の一台を選びましょう。
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