車の購入時に多くの方が利用するオートローン。金利が1%台の超低金利といった表示を目にすることもありますが、「そもそもこの金利は誰が決めているのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。今回は、ディーラーで提示されるローン金利の仕組みや、金利を安くする方法について解説します。
ディーラーで提示されるローン金利の仕組み
自動車ローンには大きく分けて「銀行ローン」「信販会社ローン」「ディーラーローン」があり、中でもディーラーで提示されるローンは「提携信販ローン」に該当します。これは、ディーラーが提携している信販会社の商品を販売する形です。
このとき、信販会社が用意している標準的な金利帯の中から、ディーラーが販売促進などを理由に“ある程度の裁量”で金利を設定できることがあります。
たとえば「金利2.9%〜6.9%」のような設定枠があり、その範囲内で営業担当が調整することも。ですが、完全に自由というわけではありません。
低金利ローンはなぜ存在するのか
ディーラーが提示する「金利1.9%」「金利0%キャンペーン」といった商品は、販売促進を目的とした“メーカー主導のプロモーション”であることがほとんどです。たとえば、トヨタやホンダなどが指定車種に対して一定期間、ローン金利を補填してディーラーに提供しています。
つまり、超低金利の商品はディーラー単独で自由に設定したものではなく、メーカーや信販会社との調整の上でのキャンペーンであるケースが大半です。
「知り合いだから金利を下げる」は可能?
知り合いの営業担当が「少し金利を下げておきますね」と言うことがありますが、これは信販会社との契約金利枠の範囲内でできる裁量を使っているケースです。たとえば、金利帯2.9%〜4.9%の中で、通常は3.9%を案内するところを、信頼関係を理由に2.9%を適用する…といった具合です。
ただし、法的・契約的にディーラーが金利を完全に自由に設定することはできません。信販会社の審査基準・商品設計がベースとなります。
実際にあった金利引き下げの例
たとえば以下のような例があります。
- トヨタの新車購入時、「通常金利3.9%」を「期間限定1.9%」で契約。
- スズキの営業担当が、「社内割引適用」として1%下げて契約を提示。
- ホンダの営業マンが「下取りもしてくれるなら金利を2.5%に下げます」と提案。
このように、一定の条件や交渉によって金利が動くことはありますが、それは信販枠の範囲内での話です。
金利以外で確認すべきポイント
金利が低いことは魅力ですが、それ以外の契約条件も確認しましょう。
- 繰り上げ返済の可否
- 保証料・事務手数料の有無
- ローン期間(長いほど総支払額は増える)
これらの点を加味し、トータルコストで判断することが重要です。
まとめ:ローン金利は「ある程度決められる」が「完全自由」ではない
ディーラーが提示するオートローンの金利は、基本的には信販会社が用意した金利帯の中で設定されています。その中で営業担当の裁量やキャンペーンにより、ある程度低金利が適用されることはあります。
「知り合いだから金利が下がる」というのも完全に間違いではありませんが、それは裁量の範囲内であることを理解し、他の費用や条件とあわせて総額で判断することが大切です。
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