Audi S4(8W/B9)を所有するオーナーにとって、MMIやバーチャルコックピットに表示される点検警告は、点検後にも消えずストレスを感じる要因になりがちです。特にディーラーではなく専門整備工場で車検や整備を行った場合、警告リセットの方法について不安を抱える方も多いでしょう。この記事では、点検警告が表示される理由や、ディーラー以外でのリセット手順、OBDツールの活用法について詳しく解説します。
■ Audiの点検警告の仕組みと表示の種類
Audiの車両では、MMI(マルチメディアインターフェース)やバーチャルコックピットに「点検まであと○日」や「点検時期です」といった警告が表示されることがあります。これは定期点検や法定点検のスケジュールに基づいて設定されており、一定期間や走行距離に達した際に自動で表示される仕様です。
点検警告には以下の2種類があります。
- オイル交換時期の警告:MMI上で自分でリセット可能。
- 点検時期の警告(インスペクション):MMIではリセットできず、外部ツールが必要。
■ MMIではリセットできない点検警告とは
オイル交換に関するリマインダーはMMI上からリセット可能ですが、点検警告(「INSPECTION」や「SERVICE」など)は、一般ユーザーがMMIメニューから操作してもリセットできません。これには「OBD-II(オンボード診断)」ツールを使った設定変更が必要です。
この点検警告は、整備を行ったか否かに関係なく、設定されたスケジュールに達すると表示され続けるため、実際の整備内容を反映して自分で消す必要があります。
■ OBDツールでのリセットは可能か?
結論から言えば、Audi S4(8W/B9)でもOBDツールを使用すれば点検警告のリセットは可能です。専門工場や欧州車整備に慣れたショップであれば、多くの場合このリセット処理を行う設備を備えています。
使用される代表的なツールには以下のようなものがあります。
- VCDS(VAG-COM Diagnostic System)
- OBDeleven
- VAS 5054A(ディーラー準拠の機材)
整備工場がこれらを保有している場合、点検リセットは5~10分程度で完了することが一般的です。料金も無料~数千円程度と、ディーラーよりも手軽な場合もあります。
■ 整備後の点検リセット依頼時のポイント
整備工場に車検や点検を依頼する際には、以下の点を確認・依頼しておくと安心です。
- 「インスペクション警告のリセットもお願いしたい」と伝える。
- OBD機器の種類と対応可否を事前に確認する。
- リセット後の動作確認を納車時にチェックする。
工場によってはリセットを省略してしまう場合もあるため、明確な依頼が有効です。
■ 自分でリセットする方法もある?
OBDツールを個人で購入してリセットすることも可能です。たとえば「OBDeleven(Pro版)」はスマートフォンと連携して様々な診断・設定が可能なため、DIY整備を行う方には人気です。
ただし、操作を誤ると他の設定に影響を与えるリスクもあるため、十分な知識と注意が必要です。特にAudiの最新型ではセキュリティアクセスやSFD(セキュア機能制御)制限があるため、安価な中華製ツールでは対応できない場合もあります。
■ まとめ:整備工場でもOBDリセットは可能。事前確認がポイント
Audi S4(8W/B9)の点検警告は、MMIではリセットできない仕様ですが、欧州車に対応したOBD機器を備えた整備工場であれば、ディーラーを通さなくても適切にリセット可能です。煩わしい点検メッセージを消すためにも、点検・整備時に必ず「OBDでの警告リセット依頼」を忘れずに伝えておきましょう。
車を快適に乗り続けるためには、こうした細かな設定の最適化も重要です。
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