てんかんを持つ方が車を運転し、保険に加入することは可能なのでしょうか？2年以上発作がなく、医師や警察の許可を得ている場合でも、保険会社への病気の告知義務や万が一の事故時の補償に不安を抱える方は少なくありません。この記事では、てんかんと自動車保険の関係について、ポイントを整理しながら詳しく解説していきます。
てんかんと運転免許の関係
まず基本として、道路交通法では「過去2年間に発作がないこと」などの条件を満たせば、てんかんを持つ方も運転免許の取得や更新が可能とされています。医師の診断と警察署への申告により、合法的に運転が認められるケースは多くあります。
そのため、「てんかん持ち＝運転不可」というわけではありません。重要なのは、自身の症状とリスクに応じて慎重に判断することです。
自動車保険加入時に告知義務はあるか？
一般的な自動車保険（任意保険）では、持病についての明確な告知義務は設けられていないケースが多いです。ただし、保険会社の約款や申し込み時の質問項目に「健康状態」に関する記載がある場合、それに該当すれば正確に申告することが求められます。
仮に告知を省略したまま加入し、後日病気に起因する事故が発生した際に虚偽申告が発覚すれば、保険金の支払いが拒否されるリスクもあるため注意が必要です。
てんかんが原因で事故を起こした場合の補償
保険の補償対象は「突発的かつ偶発的な事故」に限られます。てんかん発作による事故も原則としてこの範囲に入るため、補償が受けられる可能性はあります。
ただし、保険会社側が「事故は予見できた」と判断すれば、重過失または故意とみなされ、補償対象外となるケースもあります。特に、医師に運転を止められていた場合や、服薬を怠っていたといった事情があると厳しい判断が下されることがあります。
保険会社の選定と見直しのポイント
てんかんを持つ方でも、自動車保険に加入できる会社は複数存在します。特に、疾病による制限を明示していない保険会社や、引受に柔軟な対応をしている中小の保険代理店などが選択肢になります。
保険会社を変更する際には、てんかんの病歴を伝えるかどうかを含め、保険約款や申込書の内容をよく確認しましょう。可能であれば、保険のプロ（FPや保険代理店）に相談することで、トラブルを未然に防げます。
てんかんと保険に関する実例
あるケースでは、発作のない期間が5年以上続き、医師からも運転許可が出ていた方が、てんかんを理由に保険加入を拒否されることはありませんでした。
一方で、事故後に「てんかんの既往があった」ことが発覚し、契約時に告知をしていなかったことから保険金の支払いを受けられなかった事例も報告されています。
まとめ｜てんかんと向き合いながら安心して運転するために
てんかんを持つ方も、運転と自動車保険の利用は可能です。しかし、その際には「運転の許可条件を守る」「保険加入時に必要な情報を正しく伝える」など、慎重な対応が不可欠です。
自分自身の安全だけでなく、他人を守るためにも、病気との向き合い方や補償内容について正しく理解しておくことが大切です。リスクと責任を正しく認識し、安心できるカーライフを築いていきましょう。
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