日本発のカスタムカーブランドとして世界的な注目を集めるリバティーウォークは、フェラーリをはじめとしたスーパーカーに大胆なエアロパーツを装着し、独自のスタイルを築いています。しかし、その独創性の裏側には自動車メーカーとの法的な関係やリスクも潜んでいます。この記事では、フェラーリなどの高級ブランド車とリバティーウォークの関係性を通じて、カスタムカー文化と知的財産の境界について解説します。
リバティーウォークとは何か？
リバティーウォーク（LIBERTY WALK）は愛知県に本拠を構えるカスタムカーブランドで、創業者・加藤渉氏のもと、スーパーカーに独特なボディキットを装着するスタイルで世界的にファンを獲得しています。
フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンなどの超高級車をベースに、大胆なワイドボディやリベット留めオーバーフェンダーなどのカスタムを施すのが特徴です。
フェラーリの知的財産に関するスタンス
フェラーリは、ブランドイメージや車体デザインに対して非常に厳格な姿勢を取ることで知られています。実際、過去には他のカスタム業者や個人ユーザーに対して、エンブレムや意匠をめぐる訴訟も複数存在しています。
例えば、フェラーリの車をピンク色に塗装したことで訴訟沙汰になったケースや、カスタム後の車両に対して「フェラーリ」の名を使った商用活動を禁じる通告があったこともあります。
リバティーウォークはフェラーリと対立しているのか？
現時点では、リバティーウォークがフェラーリ社から正式に訴えられたという公的な記録は確認されていません。ただし、過去にはカスタム内容がフェラーリの意向にそぐわなかったことが原因で、フェラーリディーラーが整備を断るなどの対応を取った例はあります。
リバティーウォークでは、あくまでも個人ユーザーが自分の所有する車をカスタムするというスタンスを保っており、エンブレムの扱いなど一定の配慮がなされているとされています。
知的財産とカスタムカーの微妙な関係
自動車の外観デザインには意匠権が適用される場合がありますが、ユーザーが所有車両を個人的に改造する行為自体は基本的に合法です。ただし、それを商業目的で使用したり、ブランドを誤認させるような表示をすれば、商標権や不正競争防止法の観点から問題になる可能性があります。
リバティーウォークのような企業が法的リスクを回避するためには、フェラーリのようなブランド名を広告に過度に使用しないことや、純正部品と混同させない表記に努めることが求められます。
実際に過去に問題となった事例
海外では、ドイツのチューナーがフェラーリをベースにしたカスタム車両を製作・販売し、フェラーリ社から訴訟を起こされたケースが存在します。このような背景から、大手ブランドは「改造＝ブランド価値の毀損」とみなす傾向があるのです。
その一方で、ユーザーコミュニティではリバティーウォークのような存在を文化的価値として受け入れる空気もあり、法的なグレーゾーンを巧みに回避しながら活動を続けていることがうかがえます。
まとめ：リバティーウォークの活動と法的配慮
リバティーウォークは、世界中のカスタムカーファンから支持を受けつつも、フェラーリのような高級ブランドとの関係には常に細心の注意を払っています。法的には「所有者が自身の車を改造する」という立場を守ることで、訴訟のリスクを最小限にとどめていると考えられます。
カスタムカー文化の発展と法的な権利保護は、今後ますます複雑化する可能性があります。ユーザーとしても、ブランドとの関係や法的リスクを理解しながら楽しむ姿勢が求められる時代です。
コメント