バイク走行中にレーダー探知機とナビ音声の両方をBluetoothインカムで同時に聞きたい――これはツーリングを快適にするうえで多くのライダーが直面する課題です。特に古めのインカムと新しいデバイスの組み合わせでは、仕様の違いによって音声が途切れることがあります。本記事では、レーダー探知機とナビの音声を両立させるためのBluetooth設定や推奨機種を解説します。
Bluetooth接続の基本構造を理解する
Bluetoothインカムには主に「HFP(ハンズフリープロファイル)」と「A2DP(高音質オーディオ)」という2つの接続モードがあります。HFPは通話やシステム音声向け、A2DPは音楽再生やナビ音声に使用されます。
Interphone F5MCのような古めのインカムは、HFPまたはA2DPのいずれか一方にしか対応していない、または同時接続が制限されていることが多く、レーダー探知機とナビアプリを同時に接続しても一方の音声しか聞こえない原因になります。
レーダー探知機とナビ音声の同時利用ができない理由
たとえばデイトナ製のMSSS対応レーダー探知機はHFPで接続されるため、先にレーダーを接続すると、そのプロファイルがインカムを占有してしまい、後から接続するA2DP(ヤフーナビなど)が再生されなくなることがあります。
このようなケースでは、HFP同士が切り替え優先制御を持たない限り、一方の音声はミュート状態になります。古いインカムではこの切り替えができず、常にレーダー探知機が優先されてしまうことがあります。
解決策:インカムと接続順の工夫
一部のインカムでは、以下のような接続手順で改善する場合があります。
- ヤフーナビ(スマホ)を先にA2DPで接続
- レーダー探知機を後からHFPで接続
これにより、ナビ音声が通常の再生となり、必要に応じてレーダー警報時だけ割り込むようになることがあります。ただし、インカムの仕様次第でこれは機能しない場合もあります。
B+COMなどの最新インカムなら同時再生も可能?
近年のインカム(例:B+COM SB6X や B+COM PLAY)は、マルチポイント接続に対応しており、2台以上のBluetoothデバイスを同時に認識・切り替える機能を持っています。これにより、ナビとレーダー探知機の音声を場面に応じてスムーズに切り替えることが可能です。
実際にSB6Xでは「スマホ+レーダー探知機+タンデム通話」を同時に管理することができ、音声割り込みや優先順位を設定できるため、ヤフーナビの音声も途切れず聞こえるという報告があります。
インカム選びと設定のポイント
以下の点に注意すると、音声の切り替えや同時利用がよりスムーズになります。
- マルチポイント対応:複数のBluetooth機器を同時に接続可能かどうか
- 音声優先制御:レーダーやナビの音声が自動で優先される設定があるか
- プロファイル対応状況:HFPとA2DPを同時に利用できるか
また、インカムのファームウェアアップデートも効果的です。メーカー公式サイトで最新バージョンに更新することで、不具合や互換性が改善されることがあります。
まとめ
レーダー探知機とナビ音声をBluetoothインカムで両立させるためには、使用しているインカムの仕様と接続方法が重要です。Interphone F5MCでは機能に制限がある可能性が高いため、B+COMなどマルチポイント対応の最新機種に切り替えることが根本的な解決になります。
音声を同時に快適に聞くために、デバイスの仕様や接続方法を見直してみることをおすすめします。
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