トラックやダンプカーの電装系トラブルは、走行安全性にも関わる重要な問題です。特に、ウインカーとブレーキランプが同時点灯・交互点滅する現象は、整備不良と見なされる恐れもあり、早急な対応が求められます。今回は、26年式ギガダンプの事例を参考に、考えられる原因とその対処方法について解説します。
ウインカーとブレーキが交互に点灯する現象の概要
この現象は、右ウインカーを出した状態でブレーキを踏むと、ウインカーとストップランプが交互に点滅するというものです。正常であれば、ブレーキを踏んでもウインカーが点滅し続け、ブレーキランプは同時に点灯するはずですが、それが干渉し合っている状態です。
このような現象は、主に配線やアース不良、あるいは社外テールランプ装着時の結線ミスなどが原因で発生します。
原因① アース不良による電流逆流
最も多く見られる原因はアース(接地)の不良です。テールランプのアース線が正しく接続されていない、または接触不良がある場合、ブレーキ時の電流がウインカー系統に流れ込んでしまい、結果として交互点灯のような誤作動が起こります。
この場合、テールランプ裏のアースポイントを確認し、金属接触面を清掃または研磨し、導通を確保することで解消することが多いです。
原因② 配線ミス・結線不良
ウインカー・ストップランプの配線が間違って接続されていると、信号の混線が発生します。特に社外品のLEDテールや後付けリレーを使用している場合、配線の色や信号の割り当てが純正と異なるため、注意が必要です。
整備士や電装業者による点検の際には、配線図に基づいた導通チェックを行うことが推奨されます。
原因③ ハーネスやコネクターの劣化
経年劣化によって、コネクター内部に錆や腐食が発生し、接触抵抗が増大すると、電流が想定外の経路に流れるケースもあります。特に雨や湿気の多い環境では、配線の腐食が進みやすいため、テスターを使って点検する必要があります。
コネクターの清掃や、ひどい場合は配線の引き直しによって症状が改善されることがあります。
原因④ リレーやキャンセラーの故障
リレーの誤動作や、LEDテールランプに取り付けられた抵抗器(キャンセラー)の故障も原因になりえます。これにより、ブレーキ信号とウインカー信号の切り替えが正常に機能しなくなり、ランプ同士が干渉してしまうのです。
このような場合は、リレーやキャンセラーの交換を検討してください。特に社外品を使用している場合は、信頼できるメーカー品を選ぶことが重要です。
対処法と修理のポイント
まずは以下の順序で点検することをおすすめします。
- テールランプ裏のアース接点の確認と清掃
- 配線の接続状態と色の一致確認
- コネクターの腐食や断線の有無を確認
- リレーや抵抗器(キャンセラー)の交換
DIYでの対応が難しい場合は、電装整備の経験があるプロの整備士に相談しましょう。誤った配線処理はさらなるトラブルの元となります。
まとめ:テールランプの誤作動は早期対応が鍵
ウインカーとブレーキランプの誤作動は、整備不良として検挙対象になる恐れもある重要な問題です。アース不良や配線ミスが原因であることが多く、車検や法令にも関わるため、早めの点検と修理を心がけましょう。
もしご自身での対応が難しい場合は、電装整備を専門とする店舗に車両を持ち込むのが確実です。安全・安心な運行のためにも、適切なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
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